女川原子力発電所安全対策実施状況

概要

  • 国の審査を踏まえた主な安全対策について

当社は、女川原子力発電所2号機の安全対策工事について、2024年5月27日に工事が完了しましたのでお知らせいたします。
女川原子力発電所2号機における安全対策工事の完了について(2024年5月27日)

※当社は、女川原子力発電所2号機の再稼働工程を見直すことといたしました。再稼働時期については、2024年11月頃を想定しております。

女川原子力発電所2号機における再稼働工程の見直しについて(2024年7月18日)

当社では、原子力発電所の安全性向上に向けた取り組みを進めるとともに、万が一の原子力災害時の対応について、より実効性を高めるため、原子力災害対策の充実・強化に継続的に取り組んでおります。
「原子力災害対策充実に向けた考え方」に係る取り組みについて(2023年12月現在)
女川原子力発電所における可搬型放射線計測装置等の数量について
「女川原子力発電所の重大事故時等における住民避難用福祉車両の配備について」(2022年4月現在)

実施状況一覧(2024年10月末現在)

枠内の黄色で示した箇所は、新規制基準や最新知見等を踏まえた安全性向上対策です。

  • 地震・津波への対策
    対応内容 概要 写真、
    イメージ図
    対応
    状況
    完了時期
    (完了予定)
    備考
    耐震工事 配管や電線管のサポート追加、部材強化等の溶接工事をはじめ、取水路等の土木設備や建屋についても部材追加や部材強化を実施(従来より、耐震安全性に係る新たな科学的・技術的知見の継続的な収集・分析を踏まえた耐震工事を実施) (上)屋根トラス
    (下)配管サポート
    完了 2024年5月27日 写真(上)は原子炉建屋上部の耐震工事、(下)は主蒸気配管の耐震工事の状況
    防潮堤・防潮壁の設置 震災後、発電所の敷地海側および側面に防潮堤(高さ約3m、海抜約17m)を設置するとともに、海水ポンプ室周りへの防潮壁を設置 防潮堤全景 完了 2012年4月
    津波評価結果を踏まえた敷地内浸水防護対策として防潮堤のかさ上げ工事(高さ約15m、海抜約29m)および取水路・放水路の開口部周辺への防潮壁の設置を実施 完了 2024年5月27日
    地震による地盤の液状化で防潮堤が沈下することがないよう、防潮堤下部の地盤改良を実施しているが、これにより、海側へ流れる地下水が遮断され、敷地内の地下水位が上昇し、原子炉建屋等の周辺地盤に影響を与えるおそれがあるため、既設の地下水位低下設備の耐震性確保および追加設置を実施 (上)井戸本体鋼製シャフトの設置状況
    (下)揚水ポンプ
    完了 2024年5月27日 写真(上)は井戸本体鋼製シャフトの設置状況、(下)は揚水ポンプ
    開閉所の強化対策 開閉所設備等の信頼性向上対策として、設備の耐震対策を実施 完了 2024年5月27日
    建屋扉の水密性向上 建屋内への浸水防止対策として、水圧による扉の破損防止のため、扉内側へカンヌキ(H鋼)での補強を実施 建屋扉の補強 完了 2012年5月
    建屋内への浸水防止対策として、建屋扉へのゴムシール取り付けを実施 建屋扉の水密性向上 完了 2011年7月
    溢水損傷防止対策として、水密扉を設置 完了 2024年5月27日
    建屋内電源盤周り等への堰(せき)の設置 建屋内の電源盤および非常用ディーゼル発電機等への浸水防止対策として、浸水経路へ堰(せき)止めを設置 建屋内電源盤周り等への堰の設置 完了 2011年12月
    建屋内排水用ポンプの配備 万一、建屋内が浸水した場合の排水対策として、浸水した海水を建屋外に排水するポンプを配備 建屋内排水用ポンプの配備 完了 2011年11月
  • 電源の確保対策
    対応内容 概要 写真、
    イメージ図
    対応
    状況
    完了時期
    (完了予定)
    備考
    外部電源の耐震性強化 原子力発電所の外部電源に関わる送電線の支持がいしについて、275kVの送電線では懸垂がいしへ取替え、66kVの送電線では免震金具の取付を実施
    (電力系統の安定化に向けた東北電力ネットワーク(株)の取り組み)
    外部電源の耐震性強化

    ▲画像クリックで
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    完了 2012年2月
    電源車の配備 原子炉等を冷却するために必要な注水設備や中央制御室等に電力を供給するため、津波等の影響を受けない高台に配備 電源車の配備 完了 2011年3月
    重大事故等対策として、順次、追加配備 完了 2024年5月27日
    高台電源センターの整備
    (電源車専用受電盤の設置および新たな電源ルートの確保)
    緊急時の電源確保の迅速化・多様化を図るため、既存設備とは独立した電源車専用の受電盤を津波の影響を受けない高台へ新設するとともに、新たな電源ルートを敷設 高台電源センターの整備(電源車専用受電盤の設置および新たな電源ルートの確保) 完了 2013年4月
    大容量電源装置の配備 原子炉等を冷却するために必要な大型のポンプ等に電力を供給するため、津波等の影響を受けない高台(海抜約52m)に配備 大容量電源装置の配備 完了 2012年2月
    タンクローリーの配備 電源車等の代替電源設備への燃料補給用として2台配備 タンクローリーの配備 完了 2012年2月
    重大事故等対策として、追加配備 完了 2024年5月27日
    重要計器用直流電源設備の追加設置 緊急時の原子炉減圧操作に必要な機器への直流電源供給を強化するため、蓄電池および充電設備を建屋内に追加設置 直流電源設備の追加設置 完了 2013年4月
    電源の強化対策 重大事故等が発生した場合、必要な電力を確保するため、ガスタービン発電機、可搬型直流電源設備等の設置、蓄電池の増強等のほか、ガスタービン発電機等に使用する地下軽油タンクの設置、既存軽油タンクの地下化 電気品建屋 完了 2024年5月27日 燃料タンクは、原子炉等への代替注水設備に対する燃料補給用としても使用

    (写真はガスタービン発電機を配備した緊急用電気品建屋)
    常設直流電源の設置(3系統目) 電源の更なる信頼性向上を図るため、常設の直流電源を設置 2024年6月5日
    原子炉設置
    変更許可
    2026年12月 新規制基準において本体施設の設置等に関わる設計及び工事計画認可(2021年12月)から5年以内の設置が求められている。
  • 冷却機能の確保対策
    対応内容 概要 写真、
    イメージ図
    対応
    状況
    完了時期
    (完了予定)
    備考
    消防車の配備 原子炉への注水を長期的に継続して行うための水源への水補給や原子炉や使用済燃料プールへの代替注水手段として、消防車を配備 消防車の配備 完了 3.11東北地方太平洋沖地震以前より2台配備済
    代替注水用接続口の設置 消防車等による原子炉等への代替注水のため、原子炉建屋内の既設配管(復水補給水系)へ接続口を設置 代替注水用接続口の設置 完了 2011年11月
    代替注水車の配備 原子炉や使用済燃料プールへの注水手段を確保するため、代替注水を行う車両を3台配備 代替注水車の配備 完了 2012年3月
    非常用冷却海水系ポンプモータ洗浄・乾燥のための復旧資機材の配備 既設の非常用冷却海水系ポンプモータが被水した場合に、応急復旧できるよう洗浄・乾燥資機材を配備 非常用冷却海水系ポンプモータ洗浄・乾燥のための復旧資機材の配備 完了 2011年7月
    非常用冷却海水系ポンプモータ予備品の確保 既設の非常用冷却海水系ポンプモータが被水した場合に、速やかに復旧できるよう予備品を確保 非常用冷却海水系ポンプモータ予備品の確保 完了 2012年3月
    代替非常用冷却海水ポンプの配備 既設の非常用冷却海水系ポンプが使用不可となった場合でも、原子炉や使用済燃料プールなどを除熱冷却するための代替のポンプ(送水車)を設置 代替非常用冷却海水ポンプの配備 完了 2012年9月
    注水・除熱機能の強化対策 原子炉および使用済燃料プール内の、燃料の著しい損傷や格納容器の損傷を防止するため、高圧・低圧代替注水設備、大容量送水ポンプ車、熱交換器ユニット、原子炉格納容器代替スプレイ冷却系の設置や格納容器頂部の密閉性確保対策等を実施 (上)大容量送水ポンプ車
    (中)高圧代替注水設備
    (下)熱交換器ユニット)
    完了 2024年5月27日 一部対策は閉込機能も併せ持つ

    (写真(上)は大容量送水ポンプ車、(中)は高圧代替注水設備、(下)は熱交換器ユニット)
    淡水源の確保対策 重大事故等の収束に必要な冷却水源の確保のため、淡水貯水槽(約5,000m3×2基)の設置や既設配管の改造等を実施 注水・除熱機能の強化対策 完了 2024年5月27日
  • 閉込機能の確保対策

    放射性物質を閉じ込める機能を持つ「原子炉格納容器」および「原子炉建屋」を破損させない等の対策

    対応内容 概要 写真、
    イメージ図
    対応
    状況
    完了時期
    (完了予定)
    備考
    格納容器ベント弁開閉用の手動ハンドル設置 全交流電源喪失時において、万一、電源車等の代替電源による電源供給が行えない場合に備え、格納容器ベント弁を手動で開閉できるようハンドルを設置 格納容器ベント弁開閉用の手動ハンドル設置 完了 2013年8月 除熱確保としての機能も併せ持つ
    原子炉格納容器圧力逃がし装置(フィルタベント系)の設置 格納容器の過圧破損を防止するために行うベントの際に、放射性物質の放出を抑制する原子炉格納容器圧力逃がし装置(フィルタベント系)の設置
    原子炉格納容器圧力逃がし装置(フィルタベント系)の設置
    完了 2024年5月27日 除熱確保としての機能も併せ持つ
    フィルタ装置内のスクラバ溶液は、待機時に十分な量の薬液を保有することにより、ベントを実施した際においても性能を維持することができるが、外部から薬液の補給が可能となるよう、可搬の薬液補給装置を配備 薬液補給装置 完了
    静的触媒式水素再結合装置の設置
    炉心損傷等が発生した場合に、格納容器から原子炉建屋内に漏えいした水素を、動力を用いることなく触媒により再結合させ、建屋内の水素濃度の上昇を抑制し、水素爆発を防止するための装置を設置
    静的水素再結合装置の設置 完了 2024年5月27日
    水素濃度監視設備の設置 炉心損傷等が発生した場合における原子炉建屋内の水素濃度を監視するため、水素検知器を設置 水素検知器の設置 完了 2013年3月 写真は、設置済みの水素検知器
    重大事故等対策として、耐震性能等の向上の観点から、新たに水素濃度計を設置 完了 2024年5月27日
    可搬型窒素ガス発生装置の配備 原子炉格納容器内には水素爆発を防止するため、化学反応を起こしにくい窒素ガスが充填されているが、重大事故等に伴い原子炉格納容器のベントを実施した後に、再度窒素ガスを充填するための装置を配備 水素検知器の設置 完了 2024年5月27日
    原子炉建屋ベント装置の設置 炉心損傷等が発生した場合の水素爆発防止対策として、原子炉建屋内に滞留した水素を迅速・確実に放出するためのベント装置を、原子炉建屋屋上に設置 原子炉建屋ベント装置の設置 完了 2013年3月
    放水砲、シルトフェンスの配備
    放射性物質の大気中への拡散を可能な限り抑制するため、原子炉建屋損壊時等に建屋へ放水できるよう放水砲を配備するとともに、海洋への放射性物質の拡散を抑制するための設備を配備
    放水砲
    シルトフェンス
    完了 2024年5月27日 写真(上)は放水砲、(下)はシルトフェンスの設置イメージ
  • 事故対応の基盤整備
    対応内容 概要 写真、
    イメージ図
    対応
    状況
    完了時期
    (完了予定)
    備考
    中央制御室の作業環境の確保 全交流電源喪失時においても、運転員の対応操作等に支障をきたさぬよう、電源車等の代替電源から中央制御室の換気空調設備へ電源を供給し、中央制御室の居住性を確保 中央制御室の作業環境の確保 完了 2011年7月
    重大事故等対策として、空調、照明等、運転員が中央制御室にとどまるために必要な設備を代替交流電源から給電できる設計とする等の対策を実施 完了 2024年5月27日
    重大事故等に伴い原子炉格納容器のベントを実施する際、中央制御室の運転員が一時的に待避する、中央制御室待避所を設置 中央制御室の作業環境の確保 完了 2024年5月27日
    緊急時対策所の整備 大規模な原子力災害が発生した場合の現地対策本部となる指揮所機能の強化を目的に緊急時対策建屋を設置し、同建屋内に電源設備、通信連絡設備、居住性等を確保した緊急時対策所を整備 緊急時対策所 完了 2024年5月27日
    事務新館屋上
    ディーゼル発電機の設置
    震災の経験を踏まえ「緊急時対策室」の確実な電源確保に資する観点から事務新館屋上にディーゼル発電機を設置 事務新館屋上DGの設置 完了 2013年5月
    緊急時における発電所構内通信手段の確保 事故等の緊急時に既設の電源機能が喪失した場合においても、通信機能を確保するため、電源車等の代替電源から通信設備へ電源を供給するなど、通信機能を強化 完了 2011年5月
    重大事故等対策として、発電所内および所外必要箇所との通信連絡のため、多様性を有した通信連絡手段等の観点から更なる追加工事を実施 完了 2024年5月27日
    監視系の強化対策 重大事故等が発生した場合でも、原子炉・使用済燃料プール等の状態を把握するため、計器の設置や手段の整備等を実施 完了 2024年5月27日
    モニタリングポストの電源等の強化 モニタリングポストのバックアップ電源について、代替電源からの電源供給範囲を全6台に設定 モニタリングポストのバックアップ電源の<br>強化 完了 2012年2月
    重大事故等対策として、モニタリングポストの電源等の更なる追加工事を実施 完了 2024年5月27日
    当社共用モニタリングカーの増配備 緊急時の環境モニタリングの強化策として、モニタリングカーを、東通発電所構内に1台増配備。当該車輌は女川発電所にも応援出動可能 当社共用モニタリングカーの増配備 完了 2013年3月
    がれき撤去用重機の配備 津波等によりがれきが生じた場合に、構内作業の迅速化を図るため、ホイールローダを配備 ホイールローダの配備 完了 2011年6月
    がれき撤去用重機の多様化を図るため、バックホウ2台を配備 バックホウの配備 完了 2013年10月
    重大事故等対策として、悪条件でも作業が可能なブルドーザを配備 バックホウの配備 完了 2024年5月27日
    高線量対応防護服の配備 緊急時における作業員の放射線防護のため、高線量対応防護服(タングステン入り)等の資機材を配備 高線量対応防護服の配備 完了 2011年7月
    GPS津波監視システムの設置 津波監視の強化を目的として、国土交通省のGPS波浪計データを活用し、津波の大きさや到達時間を予測するシステムを配備 GPS津波監視システムの設置 完了 2014年3月
  • 地震・津波以外のさまざまなリスク事象への対策
    対応内容 概要 写真、
    イメージ図
    対応
    状況
    完了時期
    (完了予定)
    備考
    火災損傷防止対策 火災により重要施設の機能が失われないよう、火災の発生防止対策、速やかな感知・消火対策、影響軽減対策を実施(貫通部のシール施工等)。また、森林火災の延焼防止策として、樹木を伐採、除草し、防火帯を設置 (上)貫通部シール施工例
    (中)屋外消火栓タンク (中)ディーゼル駆動ポンプ (下)防火帯設置工事の状況
    完了 2024年5月27日 写真(上)は貫通部シール施工例、(中)は屋外消火栓タンク・ディーゼル駆動ポンプ、(下)は防火帯設置工事の状況
    溢水損傷防止対策 配管破断等による建屋内溢水により重要施設の機能が失われないよう、溢水源の低減対策、設備の防護対策を実施(貫通部の止水施工等) 溢水損傷防止対策 完了 2024年5月27日 写真は貫通部止水施工例
    火山、竜巻等防護対策 火山、竜巻等の想定される自然現象によって発電所の安全性が損なわれないよう、設備への影響評価を踏まえ、火山に対しては火山灰除去資機材の配備等を実施。また、竜巻に対しては、海水ポンプが飛来物により損傷することを防止するため、海水ポンプ室に竜巻防護ネットを設置 海水ポンプ室への竜巻防護ネットの設置状況 完了 2024年5月27日 写真は海水ポンプ室への竜巻防護ネットの設置状況
    特定重大事故等対処施設の設置 故意の航空機衝突等に備え、格納容器破損を防止するために必要な施設を設置 特定重大事故等対処施設の設置

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    2023年12月14日
    設計及び工事計画
    認可申請
    2026年12月 新規制基準において本体施設の設置等に関わる設計及び工事計画認可(2021年12月)から5年以内の設置が求められている。

訓練の充実・強化

電源車の接続訓練

電源車の接続訓練

大容量電源装置の起動訓練

大容量電源装置の起動訓練

代替注水車(可搬式ポンプ)や消防車を使った水源確保訓練

代替注水車(可搬式ポンプ)や消防車を使った水源確保訓練

代替非常用冷却海水ポンプによる冷却機能確保訓練

代替非常用冷却海水ポンプによる冷却機能確保訓練

全交流電源喪失時を想定したシミュレータによる運転訓練

全交流電源喪失時を想定したシミュレータによる運転訓練

ホイールローダによる夜間のがれき撤去訓練

ホイールローダによる夜間のがれき撤去訓練

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