台風などの自然災害による破損や出力の低下などの理由で不要となった太陽光パネルは、廃棄されずに放置されたり、埋立処分されたりしていることが多いと言われています。
大量に設置されている太陽光パネルが、今後も同じように廃棄されていくと、廃棄物埋立処分場のひっ迫や、不法投棄の増加が懸念されます。
そのため、廃棄された太陽光パネルの中で再利用可能なものをリユースしたり、埋立処分する前にアルミ・銀・銅といった資源を回収したりすることにより、資源の長期利用や、資源循環の促進が望まれています。
ここでは、太陽光パネルの適切なリユース・リサイクルに向けた様々な取組みや、当社も参画している「PV CYCLE JAPAN(PVサイクル ジャパン)」による実証事業についてご紹介いたします。
太陽光発電システムは1993年に住宅向けシステムが導入されて以降、2009年の余剰電力買取制度、2012年の固定価格買取制度(FIT)以降、急速に増加し、2020年末では、日本全体で7,100万kWが導入されました。
太陽光パネルの製品寿命は20〜30年と言われていますが、自然災害による破損や設備更新により、徐々に太陽光パネルの廃棄が始まっています。
将来の廃棄量(排出量)は、2030年以降にピークを迎え、最大で年間50万t程度と予測されています。パネルの枚数でいうと、年間約2500万枚という膨大な枚数が廃棄されていくという予測です。
廃棄される太陽光パネルの中には、破損や故障もなく、発電性能も維持されているものも含まれていて、廃棄せずにリユース(再使用)することにより、貴重な資源の有効利用につなげることが可能になります。
また、太陽光パネルは、アルミニウム、ガラス、銀や銅、樹脂等、多様な素材で構成されていて、有害物質が管理される「管理型最終処分場」で処分されなければなりません。
可能な限り処分量を少なくし、有害物を管理したうえで資源循環を進めることが、これからの太陽光パネルの処理に求められます。
当社は、再生可能エネルギーのライフサイクル全般に関与すべく、太陽光パネルの大量廃棄といった将来の社会的課題に対しても取り組むこととしています。
その一環として、太陽光パネルの持続可能な廃棄管理の仕組みの導入を目的として設立された「PV CYCLE JAPAN」(略称「PVCJ」)に特別会員として参画しています。
太陽光パネルをリユース・リサイクルする場合、適正なリサイクルを行う施設が広く認知されていないこと、住宅のように少ない枚数のパネルしか発生しない場合には運搬効率が悪く、リサイクル費用が嵩んでしまうといった課題がありました。
そこでPVCJでは、適正リサイクルルートの周知、運搬効率の向上を目指す「地域収集モデル検討委員会」を設立し、当社が中心となって、宮城県内で不要となった太陽光パネルを適正処理ルートに誘導しつつ、課題解決のためのデータ取得を行う実証事業を実施します。
この実証事業には、実態データの把握や、効率的なスキーム構築のため、皆様のご協力が必要です。
建物の解体などに伴い不要となったり、故障・破損などにより不要となったりした太陽光パネルをお持ちのお客さまは、この実証事業にご協力いただきますよう、お願い申し上げます。
ご協力いただける方は、PVCJ「宮城実証事業」のページをご覧いただきますようお願い申し上げます。