第1回/講義とワークショップ
「もう1度、新発田市を知ろう」
新発田の「強み」と「弱み」を抽出し、テーマを絞る。
第1回では、まず歴史的建造物を集めて整備した「苔香荘(たいこうそう)」を参加者全員で見学。その後、2名のまちづくりパートナーによる講義と、チーフパートナーによるワークショップを行いました
講義@ 梶田 裕美子氏
商店街の空き店舗を拠点にしたコミュニティづくりについて、梶田氏が様々な事例を紹介。まちづくりを進める時は「百聞は一見に如かずと言います。でも100回見ても、1度の行動にはかないません」とのコメントに、大きくうなずく参加者も。
講義A 森山 奈美氏
森山氏は、自らのまちづくり会社が関わった旧市街地活性化について紹介しました。川と水辺の美化を通して地域のふれあいを取り戻した経緯は、まさに波乱万丈。学生の参加者も真剣に耳を傾けていました。
ワークショップ 柳井 雅也氏
テーマは「新発田の再発見」。参加者は6つのグループに分かれ、それぞれ地元の「強み」と「弱み」を抽出し、付箋に記入。それらを新発田の地図に貼り込んで、観光資源や課題を確認しました。さらに「環境」や「安心・安全」などグループごとのテーマに沿って、まちを活性化するための企画を立案。全体発表を行い、各企画を参加者一同で共有しました。
- ワークショップのまとめ
- 発表された企画から(抜粋)
- レトロの日」を設け、人力車などを観光地に投入。和装のお客さんには商店街がサービス。
- 夕方から夜の帰宅時間帯に、学生と地域住民とで防犯パトロールを行い、世代間交流を促進。
- 和菓子職人や農家と連携し、「共育」プログラムや新商品を開発する。
柳井氏より「第1回の内容を参考に、自分自身で今後やりたい企画を提出するように」という宿題も出されました。
第2回/講義とワークショップ
「みんなで育てる地域おこし」
まちの中に「歴史」や「人材」を、どうつなげて活かすか。
前回出された企画について検討しました。アイデアを実現可能なプランに磨き上げるため、新発田の「歴史」や「人材」をどうつなげて活かすか。パートナーと積極的に意見を交わしながら、課題に取り組む参加者が目立ちました。
講義@ 関 美織氏
「老舗」が強みを生かし再興した事例を紹介。東日本大震災で被災した麹屋や和菓子店などを甦らせた商品開発手法に質問が集中しました。「デザインで興味や関心を引くだけでなく、SNSなどで共感してくれるファンを育てよう」とのアドバイスも。
講義A 横田 純子氏
特産品のアスパラを活かしたまちづくりについて、横田氏が自身の体験談を披露しました。「まちづくりは組織づくりが大きなポイントになる。そのためには、まず自分から動こう」と強調しました。
ワークショップ 柳井 雅也氏
4グループに分かれてワークショップを実施。前回出されたアイデアをもとに、新発田を活性化するプランを作成しました。作業は「食」や「お城・お寺」など、グループごとに異なるテーマで進行。できあがったプランを模造紙に記入し、発表しました。
ワークショップのまとめ
発表されたプランから(抜粋)
- 体験型観光
-
「おもっしぇ!※ 新発田」
シャトルバス/和菓子/アスパラを使って月岡温泉から集客 - 参加型イベント
-
「なりきり城下町」
侍など江戸風俗でコスプレ/和菓子食べ歩き/城址で殿様と撮影 - 体験型イベント
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「100の和菓子食べ歩き」
市内23の和菓子屋で100種の和菓子を食べ歩く
※新発田市周辺の言葉で「楽しい、おもしろい」の意味。
プラン検討会
4グループに分かれてワークショップを実施。前回出されたアイデアをもとに、新発田を活性化するプランを作成しました。作業は「食」や「お城・お寺」など、グループごとに異なるテーマで進行。できあがったプランを模造紙に記入し、発表しました。
第3回/講義とワークショップ
「新発田市における実現可能な地域づくりとは」
プランを「深掘り」し、試行へ進もう。
前回の検討会でまとめられたプランを、より具体化する作業を進めました。最新事例を紹介する講義が行われ、ワークショップも盛り上がり、集大成として「実現可能なプラン」が取りまとめられました。
講義@ 伊藤 光造氏
新発田市の課題を様々な統計データにより分析。自身による古民家再生事業についても詳しく紹介しました。「新発田はどんなまち?と聞かれたら、こんなまち!と誰もがすぐに答えられるようになってほしい」との要望も出されました。
講義A 武田 昌大氏
新しい手法を用いた古民家再生事業について紹介。クラウドファンディングやシェアハウスに関する解説では、ユニークな動画に会場も大盛況。最先端の事例はいずれも目新しく、参加者から感嘆の声が上がりました。
ワークショップ@ プランの具体化
前半は4グループに分かれて実施。和菓子と月岡温泉の連携を軸に、集客ターゲットや月岡温泉の現状などを分析し討論しました。後半では企画の実現に向け、具体的な「深掘り」作業へ。最後にまとめとして、具体化に必要な要素を抽出し、模造紙に記入しました。
ワークショップA プランの総まとめ
ワークショップ後半は、パートナーと参加者が全員で意見を交換。さらにプランを具体化していきました。
発表された「実現可能なプラン」から(抜粋)
- 古文書をもとに江戸時代の和菓子を再現し、イベントなどに活用。
- 月岡温泉の接客スタッフに、新発田市PRを行ってもらうための取り組み。
- 新発田市観光協会手配のバスを活用した、月岡温泉から新発田市への誘客。
以上については、新発田市観光協会が試行的な実施を目指すこととなりました。
Afterword
■まとめ/チーフパートナーからのメッセージ
ミシュランガイドブックの「星」には、意味があります。星1個は「食べればおいしい」。星2個は「ついでに行ってみれば楽しめる」。星3個は「わざわざ行く価値あり」。新発田は星3個を目指しましょう。
(柳井 雅也氏)
■ひとこと/東北電力より
アイデアが集まり、まちを盛り上げる
「新発田市を元気にしたい」という思いを持った方が、まちのあちこちで、それぞれのお立場でアイデアを育てています。そういった方々が一堂に集まりながら、新しい取り組みへと盛り上がっていくのを感じました。私どもも、今後ともお力添えできればと思います。
(新発田営業所長 本間裕士)
※本文中に記載の役職等は、当時のものです。
【気づき】参加者からひとこと
「出会いから連携へ。」
●新発田市 和菓子店経営 鈴木 健太郎氏
地元の和菓子屋として、新発田のために何かできないか。以前からそう思っていました。まちづくり元気塾に参加してみると、出会いや発見がたくさんあり、地域活性化だけでなく、自分の商売や生き方を考える時にも役立ちますね。これからはもっと色々な方と連携し、活動に参加しようと思います。