Tomorrow Initiative

  • 電カシステム部(送電)
    (取材当時) 川村 高洋 2008年入社
  • 工学部で電気伝導を研究し、
    培った専門性を業務で生かしたいと考え入社。
    秋田技術センターにて管内送電設備の保守、拡充・改良工事に従事した後、
    秋田支店では支店全体の設備最適化、改良工事の計画策定を担う。
    現在は、電力システム部に所属し、基幹業務システム開発、新技術導入を担当する。

送電設備の維持管理なしには、
電力供給は成り立たない

  • そもそも送電はどのような役割を担っていますか?

    電気は発電所でつくられ、送電線を通して各地域へと届けられます。当社は、日本国土の約5分の1を占める東北・新潟地域全域に約2万5,000キロの回線延長を有する送電ネットワークを形成し、くまなく電気を送り届けられる体制を構築しています。その設備は雨や風、雪、雷、地震など厳しい自然現象においても故障することは許されません。その先には人びとの暮らしがあるからです。そのため日頃の維持管理には細心の注意を払っています。安全かつ安定的に電気を送るべく、送電線や支持する鉄塔などを定期的に点検し、劣化や損傷があれば部材の補修や交換をします。

    定期的な点検とは?

    送電部門の技術者が自分の足で定期的に、全送電線の点検をしています。鉄塔を昇り、ボルトの締め付け具合、部材の腐食を目視確認しています。絶対に電気を止めないという意志のもと、一つひとつ確認し、問題が生じる前に対処します。

    大変な作業ですね?

    そうですね。東北・新潟地域には5万基を超える支持物があり、鉄塔一つとっても100mを超えるものが数多く存在します。山間部を跨いで送電線が敷設されている箇所もあるため、麓に車を止めて、巡視路と呼ばれる山道やけもの道を歩き点検することもあります。このように非常に体力を要する業務ですが、近年では技術者の高齢化が課題となっています。従来通りの手法に頼らない業務高度化・効率化に向けて、私が注力するのが、送電部門への革新的技術応用です。

革新技術を取り入れ
業務をレベルアップする

  • 革新的技術応用とは?

    その一つは、遠隔操作や自動操縦により飛行するドローン活用です。ドローンは、飛行姿勢を自律制御し、障害物の回避やルート飛行に優れた無人航空機です。機体にカメラを搭載しているため、映像や画像データを収集できます。これまで人が担ってきた点検業務の代替を目指しています。

    実際に想定する活用方法は?

    遠隔からドローンを飛ばし、点検対象を撮影します。操縦しながらのリアルタイム確認に加え、撮影データの保存も行います。人間がカメラで記録し持ち帰る従来手法に比べ、情報の収集効率を格段に高められます。

    目視との違いはありませんか?

    実証実験から、点検業務の一部はドローンで代替できることが証明されています。カメラ性能の向上で、人間の目視とドローンの撮影による差はなくなりつつあります。現時点では、すべての点検をドローンで実施できませんが、大きな活用可能性があると考えています

高度なドローン開発、
AI活用も見据える

  • 操縦が難しいのでは?

    もちろん訓練が必要です。現在、東北・新潟地域の様々な箇所に送電業務を担う拠点を展開しており、各拠点で操縦能力を有するパイロットを育成したいと考えています。

    ドローン開発も進めていると聞きましたが?

    現在、2種類のドローン活用を進めています。一つが産業用に市販されているモデルであり、各種調査や簡易点検に活用しています。もう一つが、メーカーと共同開発を進める、送電線点検を想定したものです。支持物と支持物の間をつなぐ送電線には、どうしてもたるみが発生します。たるみに沿って飛行させることは、操縦難易度が高く、送電線への接触リスクもあります。それを回避するために、送電線に沿って自動飛行できる自律制御プログラムを導入したモデル開発を進めています。また、ドローン開発に加えて、AIを用いた画像解析技術の活用も長期的な視野に入れています。

    AIですか?

    そうです。収集したデータを自動分析するために、AI活用を検証しています。映像や画像をAI分析にかけ異常有無を検知したいと考えています。現在、各点検項目の教師画像データ(正常・異常個所データ)の収集を行い、AIによる異常分析が可能かどうか検証を行っています。このようにデータの取得のみならず、データ分析手法の変革へ向けて取り組んでいます。

業務効率化・高度化を
実現する先にあるもの

  • ドローンやAI導入で実現できる未来は?

    ドローンやAIを活用することで、高度な設備保守技術を持ち、事故や災害に迅速かつ柔軟に対応できる技術者集団として存在感を発揮していきたいと考えております。

    それはどのようなことですか?

    当社にとって、東北6県と新潟の広大なフィールド、厳しい気象条件や環境のなかで、長年培ってきた保守技術と経験が強みであると考えています。この強みを新技術と融合させることで保守技術のスマート化を推進し、保守点検技術のさらなる発展をリードする存在になれるように歩みを進めていきたいです。