Tomorrow Initiative

  • 能代火力発電所建設所(技術)
    (取材当時) 松村 龍志 2011年入社
  • 大学時代、電気工学を専攻。
    電気を生みだす仕事に就きたいという思いで志望。
    新潟火力発電所にて運転業務・電気設備の補修業務に従事した後、
    能代火力発電所にて第3号機新設工事における電気設備建設に携わる。
    現在は、火力部で火力発電所全体の運用を統括する業務に携わる。

再生可能エネルギー推進のためにも、
火力発電の存在は欠かせない

  • そもそも火力発電所の役割は何ですか?

    火力は世界中で最も利用されている発電方法です。日本のエネルギーにおいて80%超を担う供給源としての役割はもちろんですが、それとともに重要なのが出力を自由にコントロールし、供給を調整できることだと思います。

    なぜ、供給調整力が重要なのですか?

    電気というのは難しいもので、発電がたくさんあればいいというものではないんですよね。需要と供給、それが、バランス良く成り立ってはじめて、停電なく供給できる、皆さんが不安なく生活を送れる訳です。近年、この星の未来、環境を守るためにも、再生可能エネルギーの機運が高まっています。しかし、ここで問題なのは再生可能エネルギーは自然を基盤にしているがゆえ、晴れたり曇ったり、風が吹いたり、吹かなかったりという条件によって左右されてしまうことです。

    私たちの生活や経済は、風が吹かないからといって止めることはできないですからね?

    そうです。再生可能エネルギーの導入が進むにつれて、停電リスクから通常の暮らしを守るためにも、需給調整力を有した発電手法である火力の存在意義は高まっています。

発電プレイヤーとして
確固たる存在感を発揮していく

  • そのような中、能代火力発電所第3号機の新設に携わったそうですが?

    はい。私が携わった業務は、2020年3月に運転を開始した最新鋭火力発電所の新設工事です。既存の火力発電を上回るエネルギー変換効率と環境性能の実現に取り組みました。中でも私は発電所を起動させるための発電機、電気を送るための変圧器や開閉器などの主要設備を、設計から施工まで一貫して担当しました。

    なぜ、石炭火力なのでしょうか?

    石炭火力は国内の総発電電力量の約 2 割を占めるとともに、燃料調達や保管などの観点から安定供給と経済性に優れている発電手法です。LNG火力など多様な電源と組み合わせることで、時々刻々と変化する電力需要に対して、安定的に電力供給が可能となっています。

    新設されたことで何が実現されるのでしょうか?

    日本を代表する石炭火力の一つ能代火力発電所は、既存の1号機、2号機に加え、3号機を新設したことにより、出力が180万キロワットまで高められました。高い熱効率である発電設備が加わることで、電力市場での競争力向上と共に、技術を有する発電プレイヤーとしての確固たる存在感を築くことになると考えています。

環境性能において
世界最高レベルを生み出す

  • 石炭と言うとどうしても環境に悪いイメージがあるのですが?

    石炭火力は発電する際にボイラーで燃料を燃やすため、燃料中の硫黄分が酸化する硫黄酸化物(SOx)、空気中の窒素と結合する窒素酸化物(NOx)など、深刻な大気汚染を発生する原因として問題視されている現状があります。また、2015年には、2020年以降の気候変動問題に対する取組みとしてパリ協定が締結され、環境対策へ各国が足並みを揃えることに合意がもたらされました。批准国の一つとして日本も環境技術を活用しクリーンな発電を推進していくことが求められています。当然、そのような潮流に対応した設備づくりを見据えています。

    具体的にはどのような環境性能を誇るのでしょうか?

    最先端の排煙脱硫技術、集塵技術を組み合わせることで、今までに類を見ないクリーンな発電を実現しています。同時に、一般に熱量が低く低品位とされてきた亜瀝青炭を活用しながらも、発電時の蒸気温度を高めることにより石炭火力において高効率な発電を実現しています。

    設備が稼働したときの気持ちは?

    私自身、世界に誇る最新鋭の発電設備である能代3号機新設工事に携わった者として、初めて発電を開始した時はとても感動し、興奮しました。エネルギー変換効率と環境性能を高度に両立した発電設備を東北電力の一員にすることができ、とても誇りに思っています。

世界最高レベルの技術が
新たなマーケットを
切り拓くと信じて

  • 技術者として見据えている未来は?

    技術者として常に私は最先端でありたいと思います。そして、それこそが世界の明日を牽引していくことにつながると信じています。例えば、エネルギーミックスや燃料費の観点から、世界的に見ても石炭火力が価値を発揮できる地域は多くあります。石炭火力発電の電源構成割合が非常に大きい中国やインド、また、人口増加や一人あたり電力使用量の増加が見込まれる東南アジア諸国など、このような地域に私たちが有する世界最高レベルの石炭火力発電技術が貢献していけると考えています。

    そのためにも能代火力発電所第3号機は重要ですね?

    はい。私たちの技術を結集した能代火力発電所第3号機は世界での発電所建設展開を行っていく上で、最適なモデルケースになると思っています。最先端の火力発電技術を活用し、他の追随を許さない技術者集団として、最高の技術を起点に世界でも存在感を発揮していくこと、それが、私が描く未来像ですね。