当社は、燃料集合体チャンネルボックス※1上部(クリップ)の一部欠損、ならびにウォータ・ロッド※2の曲がりに係る、旧原子力安全・保安院および原子力規制委員会から受領した指示文書※3に基づき、女川原子力発電所(以下、「女川」という。)1号機の燃料集合体について点検を実施し、本日、その結果を中間報告として取りまとめ、原子力規制委員会へ報告しました。
主な報告内容は、以下のとおりです。
1.燃料集合体チャンネルボックスに係る点検結果
女川1号機の使用済燃料プールに貯蔵保管している全ての燃料集合体861体※4を水中カメラで点検したところ、9体でチャンネルボックス上部クリップ接合部に一部欠損(最大で長さ約1.2cm)があることを確認しました。
今回確認された欠損は、燃料集合体にチャンネルボックスを着脱するための工具を取り付けるクリップの接合部に限定されており、チャンネルボックスの機能には影響がないことを確認しております。また、その他の部位および燃料集合体にも損傷等の異常がないことを確認しました。
今回の点検において確認された一部欠損は、女川2号機および3号機ならびに他社BWRプラントにおけるこれまでの調査結果と同様に、製造時の溶接不良が原因で発生したものと推定しております。具体的には、製造時においてチャンネルボックスの上部にクリップを溶接する際に、「溶接部に大きな熱量が加わったこと」、「クリップ当て金の取り付け状態のばらつきにより、溶接部の冷却速度が低下したこと」および「溶接部に空気が混入したこと」により、溶接部の耐食性が低下して腐食したものと考えております。
当該のチャンネルボックスを製造したメーカー(2社)においては、それぞれ溶接設備を更新したことにより、既に欠損の再発防止対策が講じられているため、今後、同様の欠損は発生しないものと考えております。
2.燃料集合体ウォータ・ロッドに係る点検結果
女川1号機の燃料集合体について、チャンネルボックスを脱着した履歴のある燃料集合体(以下、「当該の燃料集合体」という。)72体※5のうち、12体について抜き取りによる点検を実施したところ、ウォータ・ロッドの曲がりを含む、損傷や変形等の異常がないことを確認しました。
また、当該の燃料集合体72体のうち、今後原子炉内に装荷を予定している4体の外観点検を実施し、ウォータ・ロッドの曲がりを含む、損傷や変形等の異常がないことを確認しました。
今回の報告書の概要は、別紙のとおりです。
以上
※1:チャンネルボックスは、燃料集合体を覆っている四角い筒状のもので、燃料集合体内の冷却材流路を確保するとともに、制御棒のガイド等の機能を持つ。
※2:燃料集合体の中央部に燃料棒と並行して設けられている中空の管で、内部に冷却材を通すことにより燃料集合体内部の出力の最適化を図るもの。
※3:「東北電力株式会社女川原子力発電所第3号機における燃料集合体チャンネルボックス上部(クリップ)の一部欠損について(指示)」(平成24年7月10日付)
以下の内容について、同年8月10日までに報告するよう指示されたもの。
- 女川1号機〜3号機の炉内及び使用済燃料プールにある燃料集合体について、チャンネルボックス上部(クリップ)の欠損を含む燃料集合体の損傷、変形等の確認
- 1.において確認された燃料集合体の損傷等に対する燃料集合体の健全性の評価及び原子炉施設への影響の評価
- 1.において確認された事象に係る原因の究明及び再発防止策の策定
- チャンネルボックス上部(クリップ)の損傷に伴い生じると考えられる金属片による原子炉施設への影響の評価及び対策
「燃料集合体チャンネルボックス上部(クリップ)の一部欠損について(指示)」
(平成24年8月10日付)
以下の内容について、同年9月10日までに報告するよう指示されたもの。
- 炉内及び使用済燃料プールにある燃料集合体について、チャンネルボックス上部(クリップ)の欠損の確認
- 1.において確認された場合、チャンネルボックス上部(クリップ)の欠損を含む燃料集合体の損傷、変形等の確認
- 1.又は2.において確認された場合、燃料集合体の健全性の評価及び原子炉施設への影響の評価
- 1.又は2.において確認された事象に係る原因の究明及び再発防止策の策定
- 1.又は2.において確認された場合、チャンネルボックス上部(クリップ)の損傷に伴い生じると考えられる金属片による原子炉施設への影響の評価及び対策
「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所第5号機の燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりについて(指示)」(平成24年11月28日付)
以下の内容について、指示されたもの。
- 原子力発電所の燃料集合体について以下の事項を確認の上、平成25年1月7日までに報告すること
①燃料集合体の取り替え回及び製造メーカー
②チャンネルボックスの新品・再使用品等の区分とその数
③燃料集合体へのチャンネルボックスの取り付け方法
④再使用チャンネルボックスを装着した燃料集合体及び点検等によりチャンネル ボックスを脱着した履歴のある燃料集合体の数及び所在場所
- 再使用チャンネルボックスを装着した燃料集合体及びチャンネルボックスの脱着履歴のある燃料集合体の異常の有無等について、統計上十分なサンプル点検を実施し、その結果についても平成25年1月7日までに報告すること
- 原子炉内に装荷している燃料集合体又は今後原子炉に装荷を予定している燃料集合体のうち、再使用チャンネルボックスを装着した燃料集合体又はチャンネルボックスの脱着履歴のある燃料集合体について、当該燃料集合体を装荷した原子炉を起動する前に点検を実施し、その結果について速やかに報告すること
- 2.3.のそれぞれの点検において、燃料集合体の異常が確認された場合、その状況把握及び原因究明を行い、その結果について速やかに報告すること
※4:女川1号機の原子炉内から取り出した燃料集合体368体を含む。
※5:女川2号機および同3号機の使用済燃料プールに貯蔵保管しているものを含む。
(別紙)
「当社原子力発電所における燃料集合体チャンネルボックス上部の一部欠損、ならびにウォータ・ロッドの曲がりに係る点検結果」の報告書概要
【参考】
<これまでのチャンネルボックスの点検結果>
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プラント名 |
点検対象 |
点検結果 |
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女川2号機 |
1,807体 |
13体に一部欠損あり
(平成24年9月10日お知らせ済み) |
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女川3号機 |
1,386体 |
18体注1に一部欠損あり
(平成24年8月10日お知らせ済み) |
|
東通1号機 |
608体
(使用済燃料プールに貯蔵保管しているもの) |
欠損なし
(平成24年9月10日お知らせ済み) |
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764体
(原子炉に装荷しているもの注2) |
点検中 |
注1:うち1体は女川1号機から同3号機に号機間移送したもの。
注2:現在は原子炉から取り出し、使用済燃料プールに貯蔵保管中。
<これまでのウォータ・ロッドの点検結果>
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プラント名 |
点検対象の燃料 |
点検体数 |
点検結果 |
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女川2号機 |
再使用チャンネルボックスを装着したもの、または チャンネルボックスの脱着履歴があるもの |
21体注1 |
異常なし
(平成25年10月2日
お知らせ済み) |
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今後原子炉内に装荷予定のもの注2 |
4体 |
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女川3号機 |
チャンネルボックスの脱着履歴があるもの |
9体注1 |
異常なし
(平成25年1月7日
お知らせ済み) |
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今後原子炉内に装荷予定のもの注2 |
5体 |
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東通1号機 |
チャンネルボックスの脱着履歴があるもの |
3体注1 |
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原子炉内に装荷していた燃料については、今後点検を実施する予定 |
注1:抜き取りにより点検を実施。
注2:再使用チャンネルボックスを装着した燃料集合体またはチャンネルボックスの脱着履歴のある燃料集合体について、今後原子炉内に装荷予定のもの。
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