プレスリリース

女川原子力発電所1号機 原子炉建屋地下1階における火災発生に係わる原因および再発防止対策について

平成20年11月21日

 女川原子力発電所1号機(沸騰水型、定格電気出力52万4千kW)は、平成20年2月14日より定期検査中のところ、平成20年11月13日13時59分頃、原子炉建屋地下1階の残留熱除去系ポンプ(A)室非常用空調機エリアにおいて火災が発生しました。
 火災の原因は、耐震裕度向上工事において、非常用空調機に支持構造物(サポート)取り付け準備のため、溶接作業を実施しており、その溶接の火花が空調機内のフィルターに引火したものです。
 直ちに周りの作業員が消火器により消火し、同日14時50分に消防署により鎮火を確認しました。
 この火災により、溶接作業を行っていた作業員1名が手、足、顔などに火傷を負いました。なお、この受傷による作業員の被ばくや放射性物質による汚染はありません。
 本事象による発電所周辺への放射能の影響はありません。

平成20年11月13日お知らせ済み

 その後、燃焼したフィルターの点検記録の確認や燃焼試験を実施し、火災の発生原因を調査するとともに、再発防止対策を取りまとめ、本日、安全協定に基づき、宮城県、女川町および石巻市へ報告いたしました。火災の発生原因および再発防止対策の概要は以下のとおりです。

  1. 火災発生の推定原因

    (1)フィルターが燃焼した原因

    a.地下2階にある残留熱除去系ポンプを運転した際に、電動機の潤滑油が霧状となって空気中に飛散され、地下1階に設置されている空調機に吸い込まれ、内部のフィルター表面に付着した。(添付資料1)

    b.フィルター自体は難燃性と認識していたことから、特に不燃シート等による火気養生を施していなかったため、空調機上部のボルト穴を塞ぐための溶接作業を実施した際に、溶接時の溶融金属がボルト穴からフィルターに落下し、フィルター表面に付着していた油に引火し、火災に至った。(添付資料2)

    *今回実施した燃焼試験において、フィルター表面に潤滑油が付着している場合、溶接時の溶融金属により引火し、瞬時に燃え広がることを確認した。

    (2)作業員が火傷を負った原因

    a.被災者は本来溶接作業を実施する予定ではなかったが、自分が溶接作業を実施した方が効率的であると考えたこと、および短時間で終わる軽作業であったことから、工事要領書、作業予定表・防護指示書で定められた防燃服を着用しないまま、代わりに溶接作業を実施するなど定められた基本ルールを遵守していなかった。

    b.このため、燃焼したフィルターの火が被災者の作業服に燃え移った。

  2.  再発防止対策
     本再発防止対策については、当該元請会社、当該施工会社はもちろんのこと、元請会社を含め、発電所構内全ての施工会社に周知徹底する。
     発電所構内における火気作業の再開前までに以下の対策を実施する。

    (1)ルールの明確化

    a.当社は、難燃物については可燃物として取扱うことを明確化し、火気作業エリア内(半径5m)の可燃物、難燃物を撤去するとともに、撤去できない場合には確実に不燃シートで養生することや火気作業実施時には防燃服を着用する等の基本ルールを統一し徹底する。

    (2)防火教育等の充実強化による防火意識の向上

    a.当社、元請会社および施工会社は、現在計画している火気作業を管理する発電所員および同作業に従事する全ての作業員を対象とした防火教育の実施を徹底するとともに、理解度確認試験の受験を義務化する。

    b.当社は、火気作業における注意事項を記載した火災KY(危険予知)ドリルを作成・配布し、火気作業実施前に作業者全員でKY活動を実施するよう徹底する。

    (3)監視体制の強化

    a.火気作業を有する元請会社は防火管理安全専任者を配置し、火気作業エリアパトロールを実施する。なお、防火管理安全専任者は火気作業監視員を指導するとともに、必要に応じて火気作業の中断、改善等の命令を出せる権限を付与する。

    b.元請会社は、現在の火気作業監視員に対し、防火教育とは別に新たに専門教育を実施し、修了証を発行し、現場に掲示することにより、火気作業監視員の防火意識の向上を図る。

    c.施工会社は、火気作業計画段階において養生等の計画を作成し、火気作業開始前までに養生状態等について元請会社の立会による確認を受け、承認を得ないと火気作業が実施できないようにする。

      なお、今後、次の対策についても検討のうえ実施してまいります。

    a.当社は、防火に係る専門の知識を有する指導員を新たに配置し、防火管理の指導・徹底にあたる。

    b.当社は、女川原子力発電所で過去に発生した火災事例を含む国内の原子力発電所の火災事例を収集し、事例集を作成する。作成した事例集は防火教育等に活用するとともに構内作業員全員に配布する。

以上

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