プレスリリース

3月定例社長記者会見概要

2024年 3月28日

○樋口社長からの説明事項

 本日もお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。

 私からは、「再生可能エネルギーの最大限の活用に向けた取り組み」について、ご説明させていただきます。


〇再生可能エネルギーの最大限の活用に向けた取り組みについて

 当社グループは、中長期ビジョン「よりそうnext」と、「東北電力グループ“カーボンニュートラルチャレンジ2050”」の達成に向け、再生可能エネルギーを重要な電源と位置付け、「新規開発の加速」および「既存電源の最大限活用」を柱とした取り組みを進めております。


 「新規開発の加速」といたしましては、2019年1月にお知らせしたとおり、「2030年代早期に200万kW」の新規開発目標を掲げ、風力発電を中心に、太陽光・水力・地熱・バイオマスなどの再生可能エネルギー全般について、グループ企業単独での開発も含む自社開発の強化や、開発エリアの拡大などを通じて、さらに開発を推進していくこととしております。

 また、「既存電源の最大限活用」として、既存の水力発電所や地熱発電所において、運転開始から一定程度の年数を経過した設備の抜本的な改修などを行うことにより、発電電力量の維持・拡大に取り組んでいくこととしております。

 本日は、こうした再生可能エネルギーの新規開発や、既存電源の最大限の活用に向けた取り組みについて、ご説明いたします。


 まずは、「再生可能エネルギーの新規開発の全体像」であります。

 当社グループでは、再生可能エネルギーの新規開発目標を掲げる前の2018年時点において、既に約280万kWの再生可能エネルギー設備を保有しておりました。

 それら既存の設備に加え、2019年以降、200万kWの新規開発目標の達成に向け、東北6県および新潟県を中心としながら、エリア外も含めた新規開発や出資参画を進めており、現時点で、33地点の新規開発プロジェクトに携わっております。

 先般お知らせさせていただいたとおり、「秋田県八峰町及び能代市沖における洋上風力発電事業」の選定事業者に選定されるなど、着実に開発実績を積み重ねてきており、全てのプロジェクトが事業化された場合の、当社グループ全体での持分出力の累計は、約80万kWに到達しております。

 引き続き、「2030年代早期に200万kW」の新規開発に向けた取り組みを加速してまいります。


 ここからは、個別の電源ごとの開発状況をご説明いたします。

 はじめに、「洋上風力発電の開発状況」についてであります。

 昨年1月に、当社グループ初の洋上風力の出資参画案件であり、国内初の商業ベースでの大型洋上風力発電プロジェクトである「秋田港・能代港洋上風力発電所」が全面的に運転を開始いたしました。


 また、昨年12月には、当社が参画するコンソーシアムが、経済産業省と国土交通省の公募事業である「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖における洋上風力発電事業」の選定事業者に、また、今月には、先ほど触れさせていただいたとおり「秋田県八峰町及び能代市沖における洋上風力発電事業」の選定事業者に選定いただきました。

 今後、それぞれの事業において、コンソーシアムの構成企業と連携しながら、運転開始に向けて開発を進めてまいります。


 次は、「浮体式洋上風力発電の事業化に向けた取り組み状況」についてであります。


 先般、洋上風力発電の設置場所を、排他的経済水域、いわゆる「EEZ」まで拡大する法令の改正案が閣議決定されており、今後、国内においても、浮体式洋上風力の普及が進んでいくことが想定されます。

 当社では、高いポテンシャルを有する浮体式洋上風力発電の早期事業化に向け、久慈市沖における実現可能性調査のほか、国のグリーンイノベーション基金や、浮体式洋上風力技術研究組合などへの参画を通じて、浮体式洋上風力発電の課題解決に向けた研究などを進めております。


 引き続き、浮体式洋上風力も視野に入れ、更なる新規地点の開発に向け、積極的に取り組んでまいります。


次は、「陸上風力発電の開発状況」についてであります。


 陸上風力につきましては、東北6県に加え、エリア外も含め、20地点の事業に携わっております。

 本年2月に青森県で「グリーンパワー深浦風力」が運転を開始し、4月には、宮城県でも「JRE宮城加美町ウインドファーム」が運転を開始する予定です。

 今後も更なる開発に向け、当社グループ単独での開発も視野に入れながら、開発可能性調査などを進めてまいります。


 続いて、「水力発電の開発状況」についてであります。


 2022年11月に、山形県において、当社グループの東北自然エネルギーが開発した「玉川第二発電所」が運転を開始し、現在、青森県においては、当社が主体となり「新上松沢発電所」の新規開発を進めております。

 水力発電は、国内では、発電に適した地点の開発が概ね完了している一方で、安定的に発電可能なベースロード電源であることなどから、今後も経済性などを勘案しながら、新規開発地点の発掘を進めてまいります。


 続いて、「地熱発電の開発状況」についてであります。


 現在、東北自然エネルギーが、秋田県で「木地山地熱発電所」の新規開発を進めております。


 また、本年7月には、当社が保有する地熱発電所・計4カ所を東北自然エネルギーに承継し、人員や運用ノウハウを集約することとしております。これにより、より効率的な開発に加え、設備の維持・管理を含めた安定運転に向け、万全の体制を構築してまいります。


 続いて、「バイオマス発電・太陽光発電の開発状況」についてであります。


 現在、山形県と新潟県において、当社グループ初の専焼バイオマス設備となる「鳥海南バイオマス発電所」と「新潟東港バイオマス発電所」を建設しております。どちらも本年10月の運転開始を目指しており、引き続き、安全を最優先に、鋭意工事を進めてまいります。


 また、太陽光発電につきましては、宮城県内のほか、三重県においても出資参画を行っております。


 ここまでが新規開発に関する内容となりますが、東北6県および新潟県以外のエリアにおける開発案件への出資参画も視野に入れながら、自社開発の強化も図り、引き続き200万kWの開発を目指してまいります。


 続いて、「既存電源の最大限の活用」に向けた「水力発電・地熱発電のパフォーマンス向上」についてであります。

 当社グループは、国内最多となる225カ所・約257万kWの水力発電所を保有しております。

 また、国内初の商用地熱発電所である松川地熱発電所を含め、出力規模で国内の約3割に相当する5カ所・約14万kWの地熱発電所を保有しております。


 こうした既存の水力発電所や地熱発電所における、設備の維持や発電電力量の拡大に向け、リパワリング工事などの取り組みを進めることで、設備の性能を最大限に引き出し、再エネ電源の有効活用に努めてまいります。

 具体的には、本年2月に、秋田県の生保内水力発電所において、発電に使用する水車などを最新の設備に更新することで、最大出力を1,000kW増加させております。

 また、岩手県の松川地熱発電所においては、より長い期間にわたって発電できるように、2022年11月より、経年化が進んでいる発電設備の更新工事を進めております。


 以上が、再生可能エネルギーの「新規開発の加速」、「既存電源の最大限活用」に関する主な取り組みとなりますが、再生可能エネルギーを長期的かつ持続的に活用するためには、開発から運用・保守、廃止に至るまでのライフサイクル全般について積極的に関与する必要があります。


 当社グループでは、「再エネライフサイクル全般への関与」や、先月の会見でもご説明させていただきました、「グリーンエネルギーソリューション」を はじめとする「再エネに関するソリューションサービス」についても取り組んでおります。


 最後になりますが、当社は、地域やお客さまによりそう企業として、東北6県および新潟県に賦存する再生可能エネルギーの開発と最大限の活用に努め、スマート社会の実現と、カーボンニュートラルの達成を目指してまいります。


 本日、私からの説明は以上です。


以 上


(注)樋口の「樋」は、一点しんにょう


「プレスリリース本文のPDFファイルはこちら」 印刷用PDF
←← 東北電力トップページ ← 元のページへ戻る