プレスリリース

5月定例社長記者会見概要

2020年 5月28日

〇樋口社長からの説明事項
 本日は、火力発電所の更なる運用効率の向上に向けたデジタル技術の導入状況について、ご説明いたします。


〇火力発電所の更なる運用効率向上に向けたデジタル技術の導入状況について
 火力発電は、電力需要に対応する供給力としてだけでなく、昼夜間・季節間での需要変動への対応や、天候に左右される風力や太陽光発電を最大限活用するための調整力としても、重要な電源であると考えております。


 このため、東日本大震災以降、火力発電の高稼働が続く中、安全確保を大前提とした発電所の安定運転を維持するため、日頃からの運転状況の監視に加え、きめ細かな機器の点検・補修やパトロールなどで、設備の異常兆候を早期に発見し、トラブルの未然防止に努めております。


 また、東北6県および新潟県の皆さまに、低廉かつ安定的に電気をお届けするため、世界最高水準の熱効率を目指す上越火力発電所1号機の開発を着実に推進するとともに、運転年数が長く、環境性や経済効率性が低くなっている火力発電所を長期計画停止や廃止とするなど、電源の競争力の更なる強化を進めているところです。  


 本年2月に策定した「東北電力グループ中長期ビジョン」の実現のためには、こうした取り組みに加え、従来からの取り組みにとどまらない、新たな手法や発想が必要不可欠であると考えており、火力発電所においても、AIやIoTといった最先端デジタル技術を活用した運用の高度化や効率化に向けた取り組みを、更に加速してまいりたいと考えております。


 こうした取り組みの一環として、当社は、2017年より、東芝エネルギーシステムズさまと共同で、火力発電所の更なる運用効率の向上を目的に、最先端のデジタル技術の導入に向けた検証を行ってまいりました。


 具体的には、火力発電所における設備の異常兆候の早期検知や熱効率の向上に寄与する2つのシステムについて、実際の火力発電所での実証試験を進め、一定の成果を上げてまいりましたので、ご紹介させていただきます。


 1点目は、「設備の異常の兆候を早期に検知するシステム」です。

 これは、ビッグデータの分析技術を活用し、過去の膨大な運転データから、通常運転時にあるべき運転データを算出します。算出した運転データと実際の運転データを比較して、その差が大きくなった場合は、何かしらの異常兆候があると認識し、警報を発報するもので、一定の閾値に達した際に発報する従来の監視手法より早期に異常を検知することが可能となります。

 また、本システムは、経験したことのない異常現象も検知することが可能です。      


 本システムを実際の火力発電所で実証した結果、例えば、そのまま気づかずに放置した場合、数週間後に運転停止を伴う重大な異常へと進展するおそれのあった異常の兆候を、軽微な段階で検知し、適切な補修を実施することで、安定運転に貢献した事例がありました。


 次に、2点目は「運転条件の変更により熱効率を向上するシステム」です。
 これは、過去の熱効率が良好な時の運転データ等、いわゆる基準値と、現在の運転データ、いわゆる運転実績を比較し、温度や圧力の違い、部品の劣化といった、熱効率が低下している要因を特定します。
 

 その上で、燃料や空気、水の投入量といった運転条件を変更したり、劣化部位の補修を行うことで熱効率の向上を図るものです。


 本システムを実際の火力発電所で実証した結果、0.1%レベルで熱効率を分析することにより、熱効率が向上し、燃料費削減に寄与することが確認できました。
 今後、全ての火力発電所で同様の成果が得られるか、引き続き検証を重ねてまいります。 


 なお、一定の条件で試算すると、運転条件により異なるものの、熱効率が0.1%向上することは、100万キロワットクラスのLNG火力であれば、年間1,500トン程度の燃料削減、額にして約6,000万円の効率化に相当します。


 これら2つのシステムにつきましては、2020年3月までに、当社の全火力発電所への導入が完了し、運用を開始しております。


 これまでご説明したシステムのうち、「設備の異常の兆候を早期に検知するシステム」については、当社火力発電所だけではなく、自家用発電設備を有している事業者はもちろんのこと、各種の製造業にも導入することが可能であると考えております。

 

 このため、当社は、同システムを活用した、「高度な設備監視サービス」について、2021年頃までの事業化に向け、準備を進めているところです。


 このサービスは、お客さまが保有する設備の運転データを用いて、設備管理のための有益な情報を提供するもので、当社が持つ、60年以上にわたり培ってきたノウハウと、高性能かつ汎用性が高い最先端デジタル技術を組み合わせ、「高度な設備監視サービス」という新たな価値を、製造業を中心としたお客さまにご提供し、お客さま設備の安全確保と安定運転に貢献できるよう、引き続き取り組んでまいります。


 なお、本サービスの提供に向けた取り組みついては、当社企業グループである通研電気工業や東北インテリジェント通信と連携し、グループの強みを最大限に生かしながら、早期の事業化を目指してまいります。


 事業の詳細については、内容が固まり次第、改めてお知らせいたします。


 次に、当社が、現在開発中のドローンやAIを活用した設備パトロールの自動化システムについて、簡単にご紹介させていただきます。

 

 冒頭、申し上げたとおり、発電所の安定運転を維持するためには、設備の状態を巡視点検する設備パトロールにより、設備トラブルの未然防止に努める必要があります。

 

 現在開発中のシステムは、従来、発電所員が、多くの時間と労力をかけ実施している広大な発電所内にある設備の巡視点検・パトロールについて、ドローンやAIを活用することで自動化し、効率化を図るものです。


 本システムについて、今後は、さらなる検証を重ね、精度の向上や新たな機能の拡張も図りつつ、2023年6月に営業運転開始を予定している上越火力発電所1号機への導入を目指してまいります。 


 また、当社の他の火力発電所への導入に加え、本システムについても、他設備産業への展開も見据え、開発を進めてまいりたいと考えております。

 

 当社といたしましては、こうした取り組みを通じて、引き続き「東北電力グループ中長期ビジョン」のもと、電力供給事業において、競争力を徹底的に強化するとともに、東北電力グループだからできるお客さまへの新たな価値の提供を通じ、スマート社会の実現に向け、取り組んでまいります。


〇新型コロナウイルス感染症の影響について
 最後になりますが、新型コロナウイルス感染症の影響について触れさせていただきます。


 あらためて、新型コロナウイルスに感染された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。


 新型コロナウイルスの、電力需要への影響について、定量的にお示しすることは難しいものの、電力広域的運営推進機関の統計によりますと、4月の東北6県および新潟県における当社をはじめとする小売事業者全体のエリア需要については、前年同月に比較して2%減少しております。

 

 当社の販売電力量を分析すると、業務用では、宿泊業や学校など、産業用では、鉄鋼や自動車関連などで稼働が低下した影響があるのではないかと推測しているところです。

 なお、5月に入りましても、5月27日現在の数字ではありますが、エリア需要は、前年比6%程度の減となっております。


 このように、緊急事態宣言が解除されたものの、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が継続している状況にありますが、こうした中においても、当社および東北電力ネットワークでは、指定公共機関として、安定供給をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。  

 

 また、新型コロナウイルス感染症の影響による休業などで、一時的に電気料金のお支払いにお困りの方に対しましては、電気料金等のお支払い期日を延長するなどの対応を行っております。


 加えまして、当社では、現在、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、ご家庭向けに、冷房等で電力需要が増える夏場に電気料金がお得になるプランについて、鋭意検討を進めているところです。


 詳細については、決定次第、あらためてお知らせいたしますが、当社の会員制WEBサービス「よりそうeねっと」および当社の指定する新料金プランなどに加入いただくことで、夏場2カ月分の電気料金のうち、基本料金相当分を無料にする方向で検討しているところです。


 休校等による学業の遅れを取り戻すことや、暑さによる熱中症を防ぐなど、在宅時間に、エアコンを有効にご使用いただき、夏場にも快適にお過ごしいただけたらと考えております。


 本日、私からの説明は以上です。

以上

 

(注)樋口社長の「樋」は、一点しんにょう


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