再生可能エネルギーの取り組み|2015年8月7日
日本で最初に運転を開始した地熱発電所がどこにあるかご存知ですか?
今回は日本で最初の地熱発電所である、松川地熱発電所について紹介します。
地熱発電は、火山帯の地下に貯まった天然の蒸気を井戸を使って地上に取り出し、蒸気の力で発電機を回して電気をつくります。
蒸気の力で発電機を回して電気を作るしくみは火力発電と同じですが、石炭、石油、LNGなどの化石燃料を燃焼させた熱で蒸気を発生させる火力発電と違い、地熱発電では地球内部のマグマの熱によってつくられた天然の蒸気を利用して発電します。そのため、CO2排出量がきわめて少ないクリーンなエネルギーです。
日本には全国に18箇所の地熱発電所があり、合計出力は約52万kWですが、その中で東北電力企業グループは約半分の約25万kWの地熱発電設備(5ヶ所6基)を保有しています。(2014年3月実績)
岩手県八幡平市にある松川地熱発電所は、十和田八幡平国立公園内に位置し、岩手山や八幡平の火山に囲まれています。
松川での地熱発電のきっかけは、1952年(昭和27年)頃に松川の温泉開発のために調査を行ったところ、蒸気が噴出したことに始まります。
この現象に着目した東化工(株)(現在の日本重化学工業(株))は、1956年(昭和31年)から地熱蒸気の調査に着手し、約10年間の調査・建設期間を経て、1966年(昭和41年)10月に出力9,500kWの日本最初の商業用地熱発電所として運転を開始しました。
その後井戸等を追加し、現在では認可出力は23,500kWとなっています。
2003年10月に、東北電力企業グループである東北水力地熱株式会社(※)が日本重化学工業株式会社から事業を引き継ぎ、運転開始から約50年たった現在でも安定した運転を継続しています。
(※2015年7月に、東北水力地熱株式会社を含む東北電力グループ企業4社が統合し、東北自然エネルギー株式会社となりました。)
八幡平市松川温泉のすぐ近くにあります
発電所に隣接する松川地熱館では、
日本最初の地熱タービンが展示されているほか、
松川地熱発電所の説明や歴史について、パネルや映像で見ることができます
蒸気の力で電気が起きるしくみも体験できます
高さ約45mの冷却塔です
発電を終えた蒸気はこの冷却塔で冷やされます
当社は、再生可能エネルギー発電事業の一層の推進に向けて、2015年7月に、東北水力地熱株式会社を含む、水力・地熱・風力・太陽光発電事業を行うグループ企業4社を統合し、「東北自然エネルギー株式会社」を設立しました。
水力、地熱、風力および太陽光の各発電所合計26ヵ所、出力合計約15万kWを保有するとともに、調査から開発、建設、運転・保守を一貫して行う再生可能エネルギーの専門会社となります。
東北自然エネルギー株式会社は、東北地域に根ざした企業として、多様な発電事業に関するノウハウを活用し、地域の再生可能エネルギー開発・運営等に関する様々なニーズにお応えすることで、地域の活性化・発展に貢献してまいります。