再生可能エネルギーの取り組み|2013年7月3日
再生可能エネルギーに対して、注目や期待が集まっています。
太陽光発電、風力発電、地熱発電、…といろいろな発電方法がありますが、水力発電も、発電時にCO2を出さない純国産の再生可能エネルギーです。
では、日本で最初に、再生可能エネルギーである水の力を使って発電し、120年以上たった今もはたらき続ける水力発電所は、どこにあるかご存知ですか?
…実は、私たちの住む「東北」にあります。
今回は、120年以上前の明治時代からはたらく水力発電所を紹介します。
宮城県仙台市の中心部に近いところにある、三居沢発電所は、日本の水力発電発祥の地であり、東北ではじめて水の力で明かりが灯った場所です。
はじめから今のように家庭に電気を送ることを目的とした発電所があったのではなく、三居沢で営業していた「宮城紡績株式会社」が、それまで紡績機用として使用していた水車タービンに発電機を取り付けたことから、日本の水力発電がはじまりました。当時は、この発電した電気で夜のあいだ電灯を灯したようです。
三居沢発電所は、明治21年(1888年)から120年以上たった今もこの地域で発電を続けています。
東日本大震災で激しい揺れに襲われましたが、ほとんど被害もなく、設備点検を終了した3日後には発電を再開しています。
仙台市の中心部を流れる広瀬川のほとりにあります
日本の水力発電発祥の地 三居沢
最大出力1,000kWで、約2,000世帯分の年間使用電力量を発電します
取水した最大5.57m3/sの水を鋼管を通して、落差26.67mで発電所に流します
1978年からは無人化され、仙台市内の仙台技術センターから遠隔監視・制御されています
この三居沢発電所の長い歴史を支えているのは、広瀬川の流れ、そしてその清らかで豊かな水の源である船形連峰の山々です。
水力発電の運転にあたっては、日々の保守・点検を通じて、発電所周辺の自然環境への影響へ配慮した取り組みを行っています。また、電力設備の工事中においても、環境影響の低減に取り組むとともに、自然環境や景観に配慮した設備形成に努めています。
今後も、自然のめぐみに感謝しながら、水力発電所の安定運転に努めてまいります。
水力発電所の保守・点検の様子