緊急情報

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地震発生による原子力発電所の状況について(第22報)

平成23年 3月29日

 3月11日の地震発生に伴い停止した発電設備の本日16時現在の状況についてお知らせいたします。

 

※下線の箇所が、新たにお知らせする内容です。なお、本報が本日分の情報提供となりますが、状況に大きな変化があった場合には、別途、情報提供いたします。

 

<女川原子力発電所>

 女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町および石巻市)は、1号機および3号機が通常運転中、2号機が原子炉起動中のところ、地震の発生に伴い、平成23年3月11日14時46分、女川原子力発電所全号機において、原子炉が自動停止しました。観測した加速度は、567.5ガルです。

 これは、地震発生の際の安全確保策として設計どおり停止したものであり、現在、全ての号機において、原子炉の温度は100℃未満の冷温状態にあり、原子炉を安全に停止しております。

 各号機の原子炉格納容器内等の一部を除き、パトロールを終了しております。

 

 なお、敷地境界の放射線量を測定しているモニタリングポストの指示値が、3月12日23時頃より上昇し始め、一時的に最大21マイクロシーベルト/時となったことから、3月13日12時50分に、原子力災害対策特別措置法第10条に該当するものと判断し、関係機関に通報いたしました。なお、モニタリングポストの一時的な指示値の上昇は、女川原子力発電所の全ての号機が冷温停止となっていること、排気筒放射線モニタの値は通常より高いものの十分低いこと等から、女川原子力発電所からの放射性物質等の放出によるものではありません。(平成23年3月13日お知らせ済み

6時現在のモニタリングポストの指示値は、0.62マイクロシーベルト/時となっております。(添付資料参照)

 なお、モニタリングポストの指示値につきましては、当社のホームページ(https://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/onagawa/mp.html)において、リアルタイムで表示しております。

 

【女川1号機】

(対応中)

・屋外重油タンクは、倒壊しており、重油が漏れていたことを確認しました。当該タンクの倒壊は、電気事業法に基づく主要電気工作物の破損事故に該当することから、3月29日、電気事業法に基づき報告しました。

 

(対応済)

・起動変圧器の故障に伴い、外部からの電源供給が停止し、非常用ディーゼル発電機により電源供給をしておりましたが、起動用変圧器を復旧したため、外部電源から電源供給し、非常用ディーゼル発電機を停止しました。

・タービン建屋地下1階において3月11日15時30分、発煙を発見したことから、消火活動を行い、3月11日22時55分に消火を確認しました。原因は、高圧電源盤からの発煙であることを確認しました。

・3月12日0時58分、原子炉の温度は100℃未満の冷温に達し、安全に停止した状態になりました。

・地震の揺れにより、燃料プールから床面に水が溢れたことを確認しておりましたが、拭き取りを行い除染作業を完了しました。

・原子炉建屋およびタービン建屋で水漏れを確認しておりましたが、拭き取り作業を完了しました。また、必要な箇所は除染を行いました。(詳細は、別表を参照)

 

 

【女川2号機】

(対応中)

・原子炉建屋で、水漏れを確認しました。(詳細は、別表を参照)

・燃料交換機制御室の窓ガラスに割れを確認しました。

・原子炉建屋地下3階非管理区域にある補機冷却系の熱交換器室に、海水が浸水していることを確認しました。この影響により、非常用ディーゼル発電機(B)および高圧炉心スプレイ系用ディーゼル発電機が起動後、自動停止しましたが、外部電源からの電源供給および非常用ディーゼル発電機(A)の起動により、必要な電源が確保されていることから、プラント運転上問題ありませんでした。3月16日10時30分、海水の排水を完了しました。

 補機冷却系熱交換器室の原子炉補機冷却水ポンプ※1(B)モータと高圧炉心スプレイ補機冷却水ポンプ※2モータ等が浸水していることを確認したことから、浸水したポンプモータを工場に搬出し、点検した結果、使用できないことを確認しました。このため3月29日、原子炉等規制法に基づき報告しました。

 なお、原子炉補機冷却水ポンプは、2系統のうち1系統が健全であるため冷却機能は確保されております。高圧炉心スプレイ補機冷却水ポンプは、原子炉が冷温状態で安全に停止していたことから、使用しておりません。

 また、同室内で浸水した原子炉補機冷却水ポンプ(D)モータおよび海水ポンプ室内にあり浸水した可能性がある原子炉補機冷却海水ポンプ※3(B)、(D)モータも、今後、点検いたします。

・補助ボイラー(A)蒸気だめ基礎部に損傷を確認しました。

・燃料プール内に異物を確認しました。(注1)

 

(注1)3月11日以降の余震による影響と考えております。

 

(対応済)

・地震発生時、2号機は原子炉起動直後で、原子炉の温度は100℃未満の状態にありました。

・地震の揺れにより、燃料プールから床面に水が溢れたことを確認しておりましたが、拭き取りを行い除染作業を完了しました。

 

【女川3号機】

(対応中)

・燃料プール内に金属の異物を確認しました。

・地震の揺れにより、タービン建屋のブローアウトパネル※4が外れていることを確認しました。

 

(対応済)

・3月12日1時17分、原子炉の温度は100℃未満の冷温に達し、安全に停止した状態になりました。

・地震の揺れにより、燃料プールから床面に水が溢れたことを確認しておりましたが、拭き取りを行い除染作業を完了しました。

・原子炉建屋、サービス建屋、熱交換器建屋で、水漏れを確認しておりましたが、拭き取り作業を完了しました。(詳細は、別表を参照)

 

 

【共用設備】

(対応中)

・固体廃棄物貯蔵所において、放射性雑固体廃棄物(不燃物)が封入されたドラム缶2本の落下および2本の転倒を確認しました。(注1)

 

(注1)3月11日以降の余震による影響と考えております。

 

(対応済)

・サイトバンカ建屋で水漏れを確認しておりましたが、拭き取り作業を完了しました。また、必要な箇所は除染を行いました。(詳細は、別表を参照)

 

 

<東通原子力発電所>

現在、定期検査のため停止しています。観測した加速度は、17ガルです。

なお、排気筒モニタ、モニタリングポストの値に変化はなく、本事象による発電所周辺への放射能の影響はありません。

 

(対応済)

・むつ幹線および東北白糠線の停止に伴い、外部からの電源供給が停止しましたが、非常用ディーゼル発電機が自動起動し、電源供給をしております。

・本事象に伴い、3月11日14時48分、保安規定第58条に定める運転上の制限を満足していないと判断いたしました。同日23時59分に東北白糠線が復旧したことから、保安規定第58条に定める運転上の制限内に復帰しました。なお、本事象は、「東通原子力発電所におけるトラブル等対応要領」に基づくB情報に該当する事象であり、法令や安全協定に基づく報告事象ではありません。

・非管理区域である海水熱交換器建屋地下3階において、海水が漏えいしていることを確認しました。現在、漏えいは止まっております。(詳細は、別表を参照。)

・むつ幹線について、3月14日16時35分に2号線を復旧し、3月15日  14時40分に1号線を復旧しました。

・8台あるモニタリングポストのうち4台がバッテリー切れにより停止しましたが、その後復旧し、現在は8台全てのモニタリングポストで測定しております。

 

以  上

 用語解説

 

※1  非常用ディーゼル発電機や残留熱除去系等の冷却を行うための水を循環させるポンプ。

 

※2  高圧炉心スプレイ系用ディーゼル発電機や原子炉の水位が異常に低下した際に原子炉へ給水する高圧炉心スプレイポンプモータ等の冷却を行うための水を循環させるポンプ。

 

※3  原子炉補機冷却系の冷却を行うための海水を汲み上げるポンプ。

 

※4  建屋内の圧力が上昇した時に押し出され、建屋内の圧力を減圧するためのパネル。

 

※5  原子炉に冷却材喪失が起こった時に原子炉内へ冷却水を注入するためのポンプ。

 

※6  原子炉停止後に原子炉から発生する熱の冷却等を行うための系統。

 

※7  原子炉停止後、復水器による冷却が出来ない場合等、原子炉への給水を行うための系統。

 

※8  給水加熱器で熱交換(タービンの蒸気で熱交換)した際の凝縮水を移送するポンプ。

 

※9  原子炉給水ポンプの軸封部に使用している軸封水の戻り水等を回収するタンク。

 

※10 復水を原子炉側へ移送するポンプ。

 

※11 使用済み制御棒などの放射性固体廃棄物を保管する設備。

 

 

 

別表:水漏れリスト(PDF/81KB)

添付資料:モニタリングポストデータ(平成23年3月29日 16時現在)(PDFファイル/103KB)