地震発生による原子力発電所の状況について(第4報 13:00現在)平成23年 3月12日 昨日の地震発生に伴い停止した発電設備の状況についてお知らせいたします。 ※下線の箇所が、新たにお知らせする内容です。
<女川原子力発電所> 女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町および石巻市)は、1号機および3号機が通常運転中、2号機が原子炉起動中のところ、地震の発生に伴い、平成23年3月11日14時46分、女川原子力発電所全号機において、原子炉が自動停止しました。観測した加速度は、567.5ガルです。 これは、地震発生の際の安全確保策として設計どおり停止したものであり、排気筒モニタ、モニタリングポストの値に変化はなく、この自動停止による環境への放射能の影響はありません。 現在、現場をパトロール中です。
【1号機の状況】 ・屋外重油タンクは、倒壊しており、重油が漏れていたことを確認しました。 ・起動変圧器の故障に伴い、外部からの電源供給が停止しましたが、非常用ディーゼル発電機が自動起動し、電源供給をしております。 ・タービン建屋地下1階において3月11日15時30分、発煙を発見したことから、消火活動を行い、3月11日22時55分に消火を確認しました。原因は、高圧電源盤からの発煙であることを確認しました。 ・地震の揺れにより、燃料プールから床面に水が溢れたことを確認しました。また、原子炉建屋およびタービン建屋で、水漏れを確認しました。現在、水漏れは止まっております。(漏えい量、放射能量は、下記「水漏れリスト」を参照) ・3月12日0時58分、原子炉の温度は100℃未満の冷温に達し、安全に停止した状態になりました。 ・補助ボイラー(A)蒸気だめ基礎部に損傷を確認しております。
【2号機の状況】 ・地震の揺れにより、燃料プールから床面に水が溢れたことを確認しました。(漏えい量、放射能量は、下記「水漏れリスト」を参照。) ・燃料交換機制御室の窓ガラスに割れを確認しております。 ・原子炉建屋地下3階非管理区域にある補機冷却系の熱交換室に、海水が浸水していることを確認しております。現在、排水を行っております。 ・なお、地震発生時、2号機は原子炉起動直後で、原子炉の温度は100℃未満の状態にありました。 ・補助ボイラー(A)蒸気だめ基礎部に損傷を確認しております。
【3号機の状況】 ・地震の揺れにより、燃料プールから床面に水が溢れたことを確認しました。(漏えい量、放射能量は、別紙「水漏れリスト」を参照。) ・燃料プール内に金属の異物を確認しております。 ・3月12日1時17分、原子炉の温度は100℃未満の冷温に達し、安全に停止した状態になりました。 ・地震の揺れにより、原子炉建屋およびタービン建屋のブローアウトパネル※1が外れていることを確認しました。
<東通原子力発電所> 【1号機の状況】 ・むつ幹線および東北白糠線の停止に伴い、外部からの電源供給が停止しましたが、非常用ディーゼル発電機が自動起動し、電源供給をしております。観測した加速度は、17ガルです(第1報で180ガルとお知らせしましたが、停電による誤動作のため、他の地震計による計測結果から算定しました)。 ・本事象に伴い、3月11日14時48分、保安規定第58条に定める運転上の制限を満足していないと判断いたしました。同日23時59分に東北白糠線が復旧したことから、保安規定第58条に定める運転上の制限内に復帰しております。 ・非管理区域である海水熱交換機建屋地下3階において、海水が漏えいしていることを確認しました。現在、漏えいは止まっております。(漏えい量は、下記「水漏れリスト」を参照。) ・8台あるモニタリングポストのうち4台がバッテリー切れにより停止しております。なお、残りの4台は非常用電源に接続しており、測定を継続しております。 ・排気筒モニタ、モニタリングポストの値に変化はなく、本事象による発電所周辺への放射能の影響はありません。
<参考>当社原子力発電所状況
女川原子力発電所 1号機:通常運転中のところ、原子炉自動停止 2号機:定期検査中(原子炉起動中)のところ、原子炉自動停止 3号機:通常運転中のところ、原子炉自動停止
東通原子力発電所 1号機:定期検査中のため停止中 以 上
用語解説
※1 建屋内の圧力が上昇した時に押し出され、建屋内の圧力を減圧するためのパネル。 ※2 原子炉に冷却材喪失が起こった時に原子炉内へ冷却水を注入するためのポンプ。 ※3 主蒸気隔離弁が閉じ、原子炉が隔離された場合に、原子炉内の水位を確保し、冷却するための系統。 ※4 給水加熱器で熱交換(タービンの蒸気で熱交換)した際の凝縮水を移送するポンプ。 ※5 原子炉給水ポンプの軸封部に使用している軸封水の戻り水等を回収するタンク。 ※6 復水を原子炉側へ移送するポンプ。 |