東新潟火力発電所第4−1号系列が営業運転を開始
〜世界最高水準の熱効率50%以上を達成する高効率プラント〜

平成11年7月8日

 当社東新潟火力発電所第4号系列(新潟県北蒲原郡聖籠町、出力161万キロワット)の半量分である第4−1号系列が、本日、東北通商産業局の使用前検査に合格し、営業運転を開始いたしましたのでお知らせいたします。

 当社は、将来にわたる電力の安定供給を確保するため、原子力、LNG火力、石炭火力を電力供給力の柱として電源開発を進めております。
 東新潟火力発電所第4号系列は、LNGを燃料とした多軸型コンバインドサイクル発電プラントで、ガスタービン2台、排熱回収ボイラ2台と蒸気タービン1台の組み合わせを1つの系列とした2系列から構成されております。本日、営業運転を開始したのは、このうちの1系列(80万5千キロワット)で、当社では新潟火力3・4号機、新仙台火力2号機、東新潟火力 港1・港2号機、東新潟火力1・2号機、東新潟火力3号系列に続き9番目のLNG火力プラントとなります。

 東新潟火力4号系列の大きな特徴は、ガスタービン入口ガス温度1,450℃の高効率ガスタービンの導入により熱効率50%以上を達成していることであります。
 当社は、昭和59年12月に国内初の大容量高効率コンバインドサイクルプラントである東新潟火力3号系列の運転を開始しておりますが、その計画・建設・運用で得られた知見をもとにさらなる熱効率の向上を目指し、平成元年から6年間にわたり、メーカ−と共同で1,500℃級の高効率ガスタービンの開発研究に取り組みました。東新潟火力4−1号系列は、この開発研究で得られた技術の集大成として建設されたもので、今年5月に当社が実施した性能確認試験においては、熱効率が最高50.6%と「夢の50%以上」を達成するとともに、熱効率50%以上での連続運転が可能であることが確認されております。

 この熱効率50%以上の達成により、従来型LNG焚火力と比較して、4号系列全体では、燃料(LNG)を年間約37万トン節約できることとなり、燃料費にして約80億円の節約となります。また、このLNGの節約に伴い、同様に従来型LNG焚火力との比較で、COの排出量を年間約22%抑制できることとなり、当社の経営効率化ならびに地球環境問題に対し大きく貢献するものと考えております。

 また、東新潟火力4−1号系列の建設工事にあたっては、排熱回収ボイラの据付工事において、予め工場で鉄骨を組み立てるとともに、配管や弁類の部品なども組み込んでブロック化し、これを現地で据え付けるモジュール工法を採用するなど、新技術・新工法を積極的に導入し品質管理の向上と現地据付工事期間の短縮を図る一方、海外からの資機材調達を積極的に実施するなど、徹底したコストダウンに努めております。

 東新潟火力発電所第4−1号系列の営業運転開始により、当社の火力発電設備容量は約1,143万キロワットとなり、当社総発電設備容量に占めるLNG火力発電設備容量は約32%となります。
  なお、東新潟火力発電所第4−1号系列の概要については別紙のとおりです。

以 上

[参考]東新潟火力発電所第4−1号系列の概略図

 

東新潟火力発電所第4−1号系列の概要

1.所在地 新潟県北蒲原郡聖籠町東港1丁目1番地155号
2.発電方式 コンバインドサイクル発電システム(多軸型)
(ガスタービン2台 × 蒸気タービン1台)
3.認可出力 80.5万kW(大気温度−1℃)
4.使用燃料 LNG気化ガス
5.燃料受入 日本海エル・エヌ・ジー(株)新潟基地より受け入れ
6.着工 平成 8年 4月 1日
7.営業運転開始 平成11年 7月 8日
8.設備概要 <ガスタービン>
ガスタービン入口ガス温度:1,450℃
メーカー:三菱重工業株式会社
<蒸気タービン>
主蒸気圧力:13.7MPa
蒸気温度:(主蒸気)  566℃
       (再熱蒸気) 566℃
メーカー:三菱重工業株式会社
<排熱回収ボイラ>
蒸気発生量:281t/h(高圧)
メーカー:三菱重工業株式会社
<発電機>
332,000kVA
メーカー:三菱電機株式会社
9.総工事費 約960億円

 

東新潟火力発電所第4−1号系列の主な経緯

平成6年2月 新潟県,聖籠町および新潟東港背後地市町村
公害対策協議会,関係漁協に対し立地申し入れ
平成7年7月 第130回電源開発調整審議会了承・・・着手
平成7年10月 電気工作物変更許可
平成8年4月 工事計画認可、着工
平成8年9月 立 柱
平成9年10月 機械着工
平成10年10月 試運転開始
平成11年7月 東北通商産業局の使用前検査に合格(営業運転開始)

以 上

 

東新潟火力発電所第4−1号系列の
高効率ガスタービンの開発について

 コンバインドサイクル発電システムは、ガスタービンと蒸気タービンの組み合わせにより燃料のもつエネルギーを有効に利用できるため、従来の汽力発電システムに比べ熱効率が高いという特徴がありますが、さらに熱効率を向上させるためには、ガスタービンを回す燃焼ガスの温度を上昇させ、吹き付けるエネルギーを大きくすることが必要となります。
  しかし、一方では、あまり燃焼温度を高くすると、高温のガスにさらされるタービン翼(羽根)や燃焼器の損傷が早く進んだり、また燃焼器でのNOx(窒素酸化物)の発生量が増加するという課題があります。

 こうした課題の解決のため、当社は、国内初の大容量高効率コンバインドサイクル発電所である東新潟火力3号系列で培った知見をもとに、平成元年から6年間にわたり、メーカーが有する知見や研究設備を最大限に活用し、熱効率50%以上を可能とする燃焼温度1,500℃級高効率ガスタービンの実用化に向けて開発研究に取り組み、この結果、次の技術を採用いたしました。

1.高性能冷却翼の適用
  燃焼温度1,150℃級ガスタービン(東新潟火力3号系列に採用)では、圧縮機でつくられる高圧の燃焼用空気の一部を利用してタービン翼(羽根)などの高温の燃焼ガスにさらされる金属材料を冷却しており、代表的な冷却方式としては、翼外表面の特に高温になる部分に冷却空気の膜を形成し翼材料を保護する「フィルム冷却方式」が適用されています。
  4号系列のガスタービンでは、これと同様に燃焼用空気の一部を用いて高温部品を冷却することとしておりますが、1,450℃級に上昇した燃焼ガスに対応するため、一層の冷却強化をはかりました。具体的には、1,150℃級ガスタービンでは、翼の表面の一部だけに冷却空気の膜を形成しているのに対し、4号系列では、冷却空気を翼表面の小さな穴から吹き出すことにより、翼の表面全体を冷却空気の膜で覆う「全面膜冷却方式」を採用しております。

2.タービン翼用耐熱材料の適用
  タービン翼用耐熱材料としては、ガスタービンの開発当初から高温に耐える材料、すなわち超合金の開発に力が注がれ、航空用ジェットエンジンの進歩とともに発展してきました。
  従来のガスタービンでは、高温強度に優れたコバルトやニッケルをベースとした超合金が適用されていますが、4号系列では、同様にニッケルをベースとした超合金を採用することに加え、より耐熱強度を確保するため、これまでジェットエンジン用翼など小型翼で実用化されている「一方向凝固合金」の大型化技術を開発・実用化し、このタイプの合金翼を適用いたしました。一般的に、金属材料は、これを構成する結晶と結晶の境界に隙間が入ることにより強度が低下しますが、「一方向凝固合金」は、超合金を翼として鋳込む際に、結晶の成長方向を制御し、遠心力など力のかかる方向に結晶の境界ができないように製造することにより、耐熱強度の向上を図る材料です。

3.蒸気冷却式高温・低NOx燃焼器の適用
  従来のガスタービン用低NOx燃焼器では、燃焼器内に水または蒸気を噴霧することにより燃焼温度の均一化を図り、低NOx燃焼を可能とする「湿式低NOx燃焼器」を採用しておりましたが、この方式には、水や蒸気をつくるための経費の増加や熱効率の低下といった欠点があります。
  こうした点を踏まえ、当社は、東新潟火力3号系列で世界に先駆けて、予混合燃焼と拡散燃焼を組み合わせることにより、水や蒸気を使わずに低NOx燃焼を可能とする「空気冷却式低NOx燃焼器」を開発・実用化いたしました。予混合燃焼とは、燃焼用空気と燃料をあらかじめ十分に混合してから燃焼することであり、燃焼温度の均一化が図られ、低NOx化が可能となります。一方、拡散燃焼は安定燃焼が可能で、いわば予混合燃焼の「種火」としての役割を果たします。
  4号系列に採用した燃焼器は、この空気冷却式低NOx燃焼器をベースとして、全体効率を上げるために燃焼器の冷却に蒸気を使用しております。
  蒸気冷却を採用することにより、冷却空気によるガスタービン入口温度の低下がなく、その上、蒸気を蒸気タービンに回収しているため、ガスタービン効率および全体効率を高めることが可能となっております。

以 上