原町火力発電所第1号機が営業運転を開始
〜単機出力100万kWは当社最大、コストダウン施策を積極的に導入〜

平成9年7月11日


  1. 原町火力発電所1号機の営業運転開始について

     本日、当社原町火力発電所第1号機(福島県原町市および相馬郡鹿島町、出力:100万kW、燃料:石炭)が、通商産業省の使用前検査に合格し、営業運転を開始しました。

     原町火力発電所第1号機の主な特徴としては、当社の石炭火力としては初めて単機出力100万kWの大容量発電設備を採用したことであり、国内の石炭火力でも、単機出力100万kWは電源開発(株)松浦1・2号、相馬共同火力発電(株)新地1・2号に続くものであります。
     また、同1号機は、*1主蒸気温度で566度、*1再熱蒸気温度で593度と従来のプラントに比べてタービンの蒸気条件を向上させたことにより、熱効率が0.5%程度向上し、石炭使用量を年間約2万5千トン節約できることから、コスト低減に大きく寄与するものであります。
     さらに、従来は2系列の*2排煙脱硫装置を世界で初めて1系列化したほか、ボイラ組み立てへの*3ゾーンモジュール工法の採用、防波堤への*4新型ケーソンの開発導入、新型消波ブロック・*5アクロポッドの導入など、積極的なコストダウンに努め、大幅な工事費の低減を図っております。

     当社は、将来にわたる電力の安定供給を確保するため、原子力・LNG火力とともに、石炭火力を電力供給力の一つの柱として電源開発を進めているところでありますが、本日営業運転を開始した原町火力発電所は、当社としては、仙台火力発電所(1〜3号機、出力合計:52.5万kW)、能代火力発電所(1・2号機、出力合計:120万kW)に次いで3番目の石炭火力発電所となります。
     なお、本日の原町火力発電所1号機の営業運転開始をもって、当社の総発電設備容量に占める石炭火力発電設備の容量は約20%となっております。

  2. 原町火力発電所の地域共生策について

     当社では、「地域繁栄への奉仕」の理念のもとに、地域社会との共存共栄を目指した発電所づくりを行ってきております。
     原町火力発電所についても、地域社会の一員として、発電所のもつ資源を有効に活用し、地域の生活・文化・福祉の向上に貢献できるよう、共生策の具体化に取り組んできております。
     具体的には、発電所周辺の豊富な自然環境との調和を考え、発電所敷地を利用し「水」「山」「森」の自然をテーマとした「開放公園・オーシャンフィールド」を設置・開放するほか、防波堤の一部を利用した釣り場としての「海釣り公園(仮称)」の設置・開放、さらには発電所建設中に構内で発掘された「製鉄炉」および「木炭釜」を展示する「埋蔵文化財保存館(仮称)」の設置・開放を計画しており、現在、完成に向けて準備を進めております。

  3. 原町火力発電所PRホールの開設について

     原町火力発電所1号機の営業運転開始に合わせ、同発電所サービスビル1階にあるエントランスロビーの一部を利用し、PRホールを開設いたします。

     本PRホールは、発電所を訪れた見学者が構内や施設内を見学する際に、その理解を助けるためのオリエンテーション機能を備えた展示ロビーとして開設するもので、様々な効率化技術を導入するとともに、環境との共生にも配慮した同発電所の概要と特徴について、映像やパソコンの操作により短時間で把握できる展示内容としております。
     また、同発電所の建設中に、構内から1200年前の「古代製鉄所」の遺跡が出土しており、発掘によって得られた貴重な考古学的資料や情報について、コンピュータグラフィック(CG)映像で再現して紹介するなど、エネルギーを使うことを介して結ばれた“人とエネルギーの出会いの歴史”についても、見学者や地域の皆さまに考えていただく場としております。

     なお、原町火力発電所1号機の概要、地域共生策の概要、原町火力発電所PRホールの概要等については、別紙のとおりです。

【参 考】

  1. 主蒸気温度、再熱蒸気温度
     蒸気タービンは、高圧、中圧、低圧の3つのタービンから構成されております。ボイラで発生した蒸気は、高圧タービンを回した後、再熱器で再び熱せられ、中圧タービンへ送られ、最後に低圧タービンを回した後に復水器へ送られます。
     主蒸気温度とは、高圧タービン入口における蒸気の温度であり、再熱蒸気温度とは、中圧タービン入口における蒸気の温度のことであります。
     原町火力1号機では、ボイラおよび蒸気タービンに高温強度の高い材料を使用し、タービン入口蒸気温度を従来より約28度程度上昇させることにより、熱効率を0.5%程度向上させました。

       従 来  原町1号機
    主蒸気圧力
    (kg/平方センチメートル
    246 250
    主蒸気温度 538 566
    再熱蒸気温度 566 593

  2. 排煙脱硫装置の1系列化
     従来、100万kW級の排煙脱硫装置は2系列の構成でしたが、新技術の採用などにより、装置を合理化、コンパクト化することができ、原町火力1号機は世界で初めて装置を1系列化いたしました。
     なお、これにより、排煙脱硫装置の設置スペースを約10%縮小化することができ、建設費を約30億円低減することができました。

  3. ボイラ組み立てへのゾーンモジュール工法の採用
     従来は、ボイラを構成する配管および弁等の部品を工場で製作し、ボイラ支持鉄骨を据え付けた後、クレーンでつりあげて組み立てる工法が一般的でしたが、本プラントでは、予め工場で鉄骨を組み立てるとともに、配管および弁等の部品なども組み込んでブロック化し、これを現地で据え付けるゾーンモジュール工法を採用しております。
     本工法採用による主なメリットは次のとおりです。
    • 現地資材置場の低減が図れる。
    • 品質管理の向上が図れる。
    • 現地工事期間の短縮が図れる。
     なお、本工法の採用により、工事費を約3億円低減することができました。

  4. 防波堤への新型ケーソンの開発導入
     従来使用していた直方体の矩形ケーソンに比べて、波力の影響を受け難く、より小さな断面で、同等の安定性を確保することができる台形型の新型ケーソン(台形ケーソン上部斜面堤)を当社自ら開発・導入しております。
     原町火力への新型ケーソン導入によるメリットは次のとおりです。
    • 従来の矩形ケーソンを使用した場合よりも、1函当たりの重量を低減できることから、ケーソンの一辺を長くでき、結果して個数を約20%削減することが可能。
    • コンクリート量を約17%、中詰砕石量を約15%節減することが可能。
    • 工事期間を約4ヵ月短縮することが可能。
     なお、新型ケーソンの導入により、工事費を約33億円低減することができました。

  5. 新型消波ブロック・アクロポッドの採用
     テトラポッド等の従来の消波ブロックは、これまで2層積みを基本とした設計ならびに施工となっておりましたが、本プラントでは、6つの突起を持つためブロック同士の噛み合わせが良く、1層積みでも従来の2層積みと同等以上の安定性、消波能力をもつ新型消波ブロック「アクロポッド」(フランス:ソグレア・コンサルタント社製)をわが国で初めて採用しております。
    アクロポッドの採用によるメリットは次のとおりです。
    • 1層積みにすることにより、据え付け個数を約3分の2に削減できる。
    • ブロックの軽量化が図られることから、コンクリート量を約30%節減可能。
     なお、アクロポッドの採用により、工事費を約30億円低減することができました。

    以 上
    別紙 1

    原町火力発電所第1号機の概要

    1.所在地 福島県原町市および相馬郡鹿島町
    2.敷地面積 約153万平米(埋立地 約47万平米)
    3.許可出力 100万kW
    4.使用燃料 主燃料:石炭(全量海外炭)
    補助燃料:重油および軽油
    5.着工 工事計画認可・・・平成4年12月28日
    建設工事開始・・・平成5年 2月 2日
    6.営業運転開始 平成9年7月11日
    7.設備概要 <ボイラ>
     蒸気発生量:2,970t/h
     メーカー:三菱重工業(株)
    <タービン>
     主蒸気圧力:250kg/平方センチメートル
     蒸気温度:(主蒸気)566度
          (再熱蒸気)593度
     回転数:(高・中圧タービン)3,000r.p.m
         (低圧タービン)1,500r.p.m
     メーカー:(株)東芝
    <発 電 機>
     電気出力:100万kW
     メーカー:(株)東芝
    8.送電線 原町火力線により南相馬変電所に連系
    ※原町火力線:電 圧  27万5千ボルト
           こう長  18.1km
           運用開始 平成8年4月
    9.総工事費 約4,011億円

    以 上
    別紙 2

    これまでの主な経緯

    昭和52年 1月原町市議会で「火力立地推進に関する決議案」可決
    昭和52年 9月鹿島町議会で「火力建設の協力に関する決議案」可決
    昭和52年11月福島県に対し原町火力の建設について申入れ
    昭和53年 3月福島県が原町火力の建設について了承
    昭和55年 1月環境影響調査書を資源エネルギー庁に提出(燃料:重油、LPG)
    昭和55年 3月第80回電源開発調整審議会で建設計画を了承
    昭和58年 3月漁業補償協定および付帯覚書を締結
    平成 元年 5月一部計画変更に伴う環境影響調査書を資源エネルギー庁に提出(燃料:石炭専焼)
    平成 元年11月第113回電源開発調整審議会で燃料変更に伴う計画の一部変更について了承
    平成 2年 3月敷地造成(陸上整地)工事開始
    平成 2年10月公有水面埋立免許書交付
    平成 4年11月電気工作物変更許可
    平成 4年12月工事計画認可
    平成 5年 2月建設工事開始
    平成 8年 9月ボイラ火入れ
    平成 8年10月タービン通気
    平成 8年10月発電機を送電系統に連系(初並列)
    平成 9年 7月通商産業省の使用前検査に合格(営業運転開始)
            
      

    以 上
    別紙 3

    原町火力発電所の地域共生策の概要

    • 『開放公園・オーシャンフィールド』
       原町火力発電所南部には、原町市が整備しているシーサイドパークが隣接しており、本施設は発電所とシーサイドパークをつなぐ「開放空間」として捉え、発電所敷地の南側約2万平米に「水」「山」「森」の自然をテーマとした開放型空間を形成する。
       具体的には、テーマ性を演出する巨大迷路を設け、「水」の迷路では噴水を利用した水上迷路を演出、「山」の迷路では起伏をつけた砦を設け迷路の征服感を演出、「森」の迷路では樹木をロープで結び迷路とすることでネイチャーゲーム風の体験ができるよう計画しております。また、各種イベントや軽い運動ができる芝生広場、シーサイドパークおよび施設全体を眺望できる安らぎの空間等も設けることとしております。

    • 『海釣り公園(仮称)』
       発電所南防波堤の一部(長さ:約125m、幅:約7m)を釣り場として開放することとしております。収容人員は50人〜60人程度。

    • 『埋蔵文化財保存館(仮称)』
       発電所建設中に構内で発掘された「製鉄炉」および「木炭釜」等の遺跡について永久保存し、一般に開放することとしております。保存館は発電所構内に建設いたします。

      (参 考)
       平成元年度から、福島県教育委員会に委託し、約39万平方米の試掘調査と約23万平方米の本調査を実施しました。
       発掘された主な遺跡は、製鉄炉123基、木炭釜149基のほか、墳墓など、奈良〜平安時代にかけての遺跡が多数出土しました。
       この「原町市金沢地区製鉄炉群」は、生産規模としては、国内最大といわれており、岡山県総社市の「西団地内製鉄炉遺跡群」に匹敵するものであります。

    以 上
    別紙 4

    原町火力発電所PRホールの概要

    1. 場 所  原町火力発電所サービスビル1階

    2. 主な展示内容

      • ビジターズシアター
         見学前に発電所の概要や特徴、および見学ポイントを説明するオリエンテーション用ホール(収容人員 50名、100インチスクリーン)

      • 原町・鹿島ガイド&インフォメーション
         ビジターズシアターの壁を利用し、原町市・鹿島町をマップならびに写真により紹介する。

      • 地球エナジーラボ
         地球のエネルギーとの出会いを「大地・水・風」をテーマに9面マルチのダイナミックな映像で紹介する。

      • 原町デジタルミュージアム(検索システム)
         パソコンを3台配置し、それぞれのテーマを自由に検索できるシステム
        ・ 古代製鉄所検索システム
        ・ 原町火力発電所検索システム
        ・ 環境とエネルギー検索システム

      • 原町火力発電所ギャラリー(5階)
         原町火力発電所の特徴をパネル等により紹介する。

    以 上