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子供の頃、テレビで、「温室効果による人類滅亡の危機」なんて番組をやった。当時はまだ環境問題と云ったとらえ方ではなく、「暑くて住めない地球から、選ばれた一万人の宇宙脱出をアメリカが極秘に計画!!」と云ったワイドショー的な内容だった。 大分怪しげな番組であったが、子供だった僕は、取り残された自分が蒸し焼きで死ぬ図を想像して、すっかり落ち込んでしまった。心配した両親が訳を聞くのに、涙をポタポタこぼしながらそれを話したのを覚へている。父も母もあれこれと励ましてくれ、父はルターの「明日死すとも今日リンゴの苗木を植えん」と云う言葉を書いてくれた。しかし子供としては、「あんな事は起こりゃしない。安心しなさい」と云った即効性のある言葉が欲しくて、それらの励ましにも何だか不満だった。 大人になってこの事を思い返す時、そんな不満や蒸し焼きの恐怖よりも、親心と云ったものに思い致さずにはいられない。若い親が精一杯子を思い、小さな悩みに真剣に向き合ってくれたその事が、今の僕を励ますのだ。調子の良い慰めでその場限りの安心を得ていたら、事を覚へてすらいなかっただろう。 人間と云うのは、まぁ上手くしたら70年や80年生きられる訳で、そう云う生き物に対しては、そう云う言動があってよいと思う。長い目で、その人の為を思へば、少しはそうなるのではなかろうか。 |
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