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秋田県・株式会社プレステージ・インターナショナル秋田BPOセンター

秋田から世界へアウトソーシング

JR秋田駅や秋田空港から車で20分程度と近く、良好なアクセス環境にある秋田市の西部工業団地に、2003年、株式会社プレステージ・インターナショナル秋田BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)センターが進出した。玉上進一代表は「今まで東京で行っていたコンタクトセンターの業務を秋田BPOセンターへ移管したことで、コスト削減と地元の雇用創出につながっている」と語る。地方都市に進出したメリットを生かしながら、さらにBPO事業の拡大を図っている。

株式会社プレステージ・インターナショナル秋田BPOセンター 郵便番号010-1633秋田県秋田市新屋鳥木町1-172 代表取締役社長 玉上 進一 設立2003年10月 従業員数約500名(2005年9月現在) 生産品目BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)専業業務 電話番号:018-888-9333 ファックス番号:018-888-9030
代表取締役社長 玉上 進一氏

アメリカの生活から培った起業の原点

 同社は、1986年、「サービスで世界に通用する企業を目指す」という理念のもと、海外旅行者向けの日本語アシスタンスサービスプロバイダの先駆けとして創業した。その背景には、玉上代表自身のアメリカでの生活体験が生かされている。
 「言葉や文化の違いなどにより、いざという時の対応には大変苦慮しました。例えば、海外で病気になった時、日本語では病状が的確に伝わりません。また車のアクシデントに遭った際も、言葉のギャップに悩まされました。帰国してから、同じように言葉の壁に悩む海外の日本人に対し、日本語アシスタンスサービスをどのように提供できるかが、起業の原点でした。設立当時はバブル期もあって海外旅行者が増えたのと、海外資本のクレジットカード会社が日本での広告展開を強化したため、国内のクレジットカード各社も積極的に事業展開に乗り出しました。こうした時流に乗り、クレジットカード会社や損害保険会社と提携し、これら企業のお客さまが海外に出かけた際、事故処理や医療対応などをサポートする「保険関連事業」を展開し、BPO事業の経営基盤を築き上げました」。
 同社が目指すBPO事業は、単に業務のアウトソースを企業から受けるのではなく、常にエンド・ユーザー(消費者)のニーズを把握し、それを十分に満たすために企業の業務プロセスまで踏み込んで課題解決に当たる点にある。こうした「保険関連事業」を始め、アメリカで生活する日本人を日本語でサポートし、ドル建てで決済ができる「プレミオカード」を提供する「金融サービス事業」。日本だけでなくアメリカとカナダ全域でも、エンド・ユーザーの車のトラブルをサポートする「自動車関連事業」。そして、顧客対応やデータ管理を行う「通販関連事業」の4つのフィールドでサービスを提供している。特に国内のロードサービスではJAFに次ぐ規模であり、全売上高の約半分を占めるまでに成長している。「私は、思いついたらすぐに実行に移すタイプ。ビジネスチャンスは、自ら拓いていかないと」。玉上代表の行動力が、新たな事業展開への原動力でもあるのだ。

整然とレイアウトされた秋田BPOセンター内部

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地方都市のメリットを生かした業務移管

 単なる電話での取り次ぎ業務ではなく、エンド・ユーザーからの様々なトラブルやリクエストなど電話を通して把握し、それをクライアント企業に代わって適切にお応えすることがBPO 事業の基本メニューだ。同社は業務のさらなる強化と業務効率の推進を目的に、東京でのコンタクトセンター業務を地方都市へ移管することを決定した。玉上代表は地方都市へ着目した理由として「人材の固定化」を指摘する。
 「BPO 事業の中核であるコンタクトセンターを、東京に留めておく必然性はありません。コンタクトセンターの業務は人材活用ですから、コスト的にもメリットがある地方でも充分に対応できます。特にこの業務は休日が多忙であり、電話で応対するという性格からみても、温暖な風土よりは、むしろ寒冷地の方が落ち着いて業務に専念できると考えました」。
 地方都市への進出に際し、「人材確保の支援」「拡張性がある事業スペースの確保」「財政支援」の3つの条件をもとに全国各地を比較検討し、最終的に秋田市に決定した。「こちらの条件に対して、秋田市側から様々なプランが提示され、財政支援も合意できる内容でした。また東京からセンターのある西部工業団地へは、飛行機を利用すれば90分程度で移動できます。東京都内での移動時間を考えると、秋田市は決して遠くはありません。他の候補地に比べても、アクセス環境は最適でした」。企業誘致を図る自治体としても、画一的な支援を提供するだけではなく、進出を目指す企業の業態に合せ、ニーズに応えられる柔軟な姿勢が必要であることを示唆している。
 そして2003年10月、最大700席体制で24時間稼働できる秋田BPOセンターを開設した。

八久保勝也秋田BPOセンター長(取締役)

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重要な拠点としてパワーアップを図る秋田BPOセンター

 「限りなくゼロに近い状況で、スタートした」と語るのは秋田BPOセンターの八久保勝也センター長。「現在は約500名の従業員を数えますが、当初は200名程で業務に当たりました。オペレーションは現地採用の方に任せ、東京から40名程の社員が秋田に赴き、業務管理を行いました。地方にあるコールセンターの幹部の多くは、本社からの社員が就いているようですが、当社は、地元採用の社員が業務を掌握する姿勢で臨んでおり、当初40名いた東京からの出向社員も、現在は私だけになりました。自ら課題を作り出し、具体的な目標や目的意識持って前向きに業務に当たることが、クライアント企業からの信頼性、会社の発展へと繋がると考えています」。
 現在、秋田BPOセンターの社員は70%が女性だ。社屋の外観はミュージアムを連想させるデザインで、敷地内には託児所やカフェテリア、リフレッシュルームも完備されている。玉上代表は「女性の場合、いろいろな節目で仕事を継続できない環境が巡ってきます。せっかくオペレーションの知識を習得し、スキルアップした社員が退職を余儀なくされるのでは、企業としてもマイナスです。子育てと仕事を両立させ、子どもを持つ女性が安心して仕事ができる環境を提供し、優秀な人材を確保することが重要な課題です」と語る。
 2007年には、事業拡大に伴う第2BPOセンターが完成する予定で、研修センターや短期宿泊施設などを完備し、同社の重要拠点としてさらに強化される。 「我々はある特定の企業に対して、独占的に契約を結ぶことはありません。私は常に、全てのクライアント企業に対してニュートラルな立場を保持することが、当社に対する信頼に繋がっていると考えています。当社のBPO事業のノウハウや能力を知っていただき、様々な商品を開発し提供していくことで、クライアント企業との良好なパートナーシップをさらに強固なものにしていく。なかでも当社の基盤であるロードサービスのコンタクトセンター業務を一手に担う秋田BPOセンターの役割は重要です」。玉上代表の言葉は、歯切れが良く実に明確だ。そこから描かれるビジョンこそが、秋田BPOセンターの未来の姿を映し出しているに違いない。

秋田BPOセンターに併設されている企業内託児所

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*2005年7月取材

株式会社プレステージ・インターナショナル URL http://www.prestigein.com