プライムアースEVエナジーが製造するトヨタのハイブリッド車プリウス用のニッケル水素電池は、累計生産台数が100万台(車両台数ベース)に達するまで会社設立(1996年)から10年を費やしたが、200万台への到達はその後2年しかかからなかった。世界の市場にハイブリッド車が急速に普及するようになり、車載用蓄電池の需要が飛躍的に増大したのである。
大幅な増産の要求に迫られた同社は新工場の建設を決め、2008年に宮城県、大和町と立地協定を締結。その1年半後に工場を稼働させるというスピード竣工を果たした。
「まずは製造ライン1本でのスタートですが、2010年9月までに2ライン増設し、年間30万台の生産能力を持たせる予定です」(林社長)。これによって同社は、静岡県の既存2工場で各40万、宮城工場で30万、合わせて年間110万台もの製造能力を有することになる。
なぜ、新工場の設置を宮城県に決めたのか。「優秀な人材を確保できることと、速やかに工場を建設できることが進出先に不可欠な条件だった」と林社長は振り返る。北海道から九州まで全国の工業団地をリストアップして有力候補地を絞り、最終的に宮城県大和町に決断した背景には、人材の豊富さや物流の便の良さといった諸条件に加え、県の対応の柔軟さもあったという。「この地はもともと流通団地だったところを、当社が進出するならと“流通・工業団地”への用途替えや工業用水路などのインフラ整備をしていただきました」(林社長)。
立地企業に対しての助成金や、地元出身者の採用数に応じた設備投資額の還元、減価償却に関する優遇措置など制度面の支援が充実しているだけではなく、工場建設前から始めた従業員の採用に際しては、県内の学校などを会場として提供してくれるといったきめ細かな協力もあり、「地域をあげて当社の進出を熱望してくれていることを肌で感じた」と林社長は語る。
宮城工場で生産している、3代目プリウス用『電池パック』


