
ロケットの主な役割は、人工衛星を宇宙に届けることだ。
そこで人工衛星のことを、もうちょっと、調べてみよう。
ギリシャやローマの遠い昔からから、人類は宇宙へのあこがれを育ててきた。でもそれは空想の物語、夢のお話でしかなかった。でも、いつの時代でも、宇宙へ飛び出すことを願いつづける人間は、いたみたいだよ。
そしてとうとう1957年、初めての人工衛星(無人)スプートニク1号(ロシア、旧ソ連)が地球を回る軌道(目に見えない通り道のようなもの)に乗せられた。それまでは夢でしかなかった宇宙飛行が、実現することがわかったんだ。
それからしばらくは、人間を宇宙に送り届けられるかどうか、人間が宇宙船で生きていけるかどうかを調べるための人工衛星が打ち上げられた。まずは犬などが宇宙へ旅立った。そしてロシア(旧ソ連)のガガーリンが人類最初の宇宙飛行士になった。その後はアメリカのジェミニやロシア(旧ソ連)のボストークなどが競争のように宇宙をめざした。これが宇宙開発時代だ。
そして1969年、アメリカのアポロ宇宙船は、とうとう月まで行くことに成功したんだ。人間が宇宙に行くためにつくられた技術は、地球でもとても役立つことがあるので、いろいろな国々が、宇宙開発をめざしはじめたんだよ。
スプートニク1号から、いままでに世界中で打ち上げられた人工衛星は、約5400機。そのうち今でも利用されているのは、約2000機といわれています。日本は、人工衛星を打ち上げた数では、ロシア(旧ソ連を含む)・アメリカに次いで世界で3番目に多い国なんだよ。その数は、1970年2月に打ち上げられた「おおすみ」以来87個になります。日本で開発されたロケット「H-IIA」は、地球のまわりを回る静止軌道(せいしきどう)まで、重さ約2トンの衛星を届けることのできる力を持っています。世界のロケットでもこれだけの能力を持っているものは数えるほどしかありません。
同時に、宇宙からだと、地球のことも宇宙のこともよくわかることが知られてきた。天気予報や天体観測には、人工衛星から撮った写真がとても役立っているんだよ。気象衛星「ひまわり」やハッブル宇宙望遠鏡って、聞いたことあるでしょ?
いま、宇宙には、人間のくらしに役立つ人工衛星がたくさんある。
たとえば.......
●衛星放送(えいせいほうそう)
衛星中継(えいせいちゅうけい)/テレビではよく、海外のニュースを「衛星がつながっています」といって現地の様子を生放送で伝えてくれるね。それからオリンピックやサッカーのワールドカップも、生放送で見ることができる。
これは全部、地上からの高さ約36,000kmのところに打ち上げられた「放送衛星」や「通信衛星」が電波を中継してくれるおかげなんだよ。
衛星放送(えいせいほうそう)/衛星放送では、地上から放送衛星に電波を送り、その電波を放送衛星に積んだアンテナが受けるんだ。次にアンテナから地上に電波を送り、それを各家庭のパラボラ・アンテナで直接受けるんだよ。
●カーナビゲーション
くらいのところを飛んでいる全地球測位システム、「GPS(ジーピーエス)衛星」のおかげだよ。
車につんである受信機(じゅしんき)が、4個以上のGPS衛星からの距離を同時に測って、車の現在地を計算するんだ。
●天気予報
35,800kmの上空から、雲のうごきや空の変化を観測して、情報を地球に送るんだ。地上では、気象衛星から送られてきたデータを見て、明日の天気や台風の接近を知るんだよ。
●地球環境(ちきゅうかんきょう)の変化
地球の海や陸地の変化、大気圏のようすを観測するのは「地球観測衛星(ちきゅうかんそくえいせい)」だ。オゾン層に穴があいている様子や熱帯雨林(ねったいうりん)が減っている様子など、地球環境の変化を知るための大切な衛星だよ。
南極付近のむらさき色の部分が
オゾンホール(オゾン層にあいた穴)だ。
写真:宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供
●資源をさがす
「地球観測衛星」は、石油など資源の埋まっている場所をさぐりあてたり、海面上昇など環境の変化を確かめるのにも役立っているんだよ。
日本の資源探査衛星として
活躍した「ふよう1号」
(写真:宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供)
■エネルギー・トピックス
人工衛星で油田をさがせ!
油田(ゆでん)、それは地下深いところで石油が眠っている場所のことだ。油田をさがすときは、音波で地下の様子をさぐったり、人工的に地震をおこして調べたりするけれど、なんと人工衛星で空のかなたから、油田を見つけることもできるんだ!
石油や天然ガス、石炭、ウランなど、みんながくらしのために使う「エネルギー資源(しげん)」は、たいてい土の中に深くうもれている。そこで人工衛星から、地面の様子などいろいろ調べると、地中に埋もれているものを、見つけやすくなることがあるんだ。
日本の資源探査衛星(しげんたんさえいせい)「ふよう1号」は、中国で石油が取れそうなところを発見したこともあるんだよ。