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2010年11月12日、東京、大阪(おおさか)、仙台(せんだい)など日本各地で黄砂(こうさ)が観測(かんそく)された。11月に国内で黄砂が観測されたのは、2005年以来5年ぶりで、秋に東京で黄砂が観測されるのは、記録が残る1967年以降(いこう)で初めてのことだ。黄砂が日本に飛んでくるのは、2月〜5月ころが多く、秋に飛んでくることは、とてもめずらしいことなのだ。
ゴビ砂漠(さばく)やタクラマカン砂漠など、中国やモンゴルの砂漠では、強い風がふいて、砂(すな)や砂利(じゃり)がまい上がることがある。まい上がった砂のうち、数マイクロメートル以下(1マイクロメートルは1mmの1000分の1)の小さなつぶが、西から東へふく風に乗って、日本などに飛んでくることがある。これが黄砂だ。黄砂は、日本だけでなく、中国や韓国(かんこく)、また、太平洋をわたった北アメリカなどでも観測されている。
黄砂にふくまれる成分は、海にすむ小さな生き物のプランクトンの栄養になっていると考えられている。また、黄砂にふくまれるリンや鉄などの成分は、ハワイの樹木(じゅもく)の成長を助けているとも言われている。

出典:気象庁HP「黄砂に関する基礎知識」
黄砂には、いろいろな問題もある。
黄砂にふくまれる砂のつぶは、黄土色で、少しねばり気がある。そのため、衣類(いるい)や車などにつくとなかなか落ちない。また、はげしい黄砂が発生すると、視界(しかい)が悪くなり、飛行機が飛べなくなることがある。はげしい黄砂が発生しているときの中国では、一面が黄色っぽくぼやけて見えるほどだ。中国に近い韓国では、はげしい黄砂が発生すると、外出しないように注意を呼(よ)びかけることもある。
黄砂のときの中国、北京のようす。
出典:国立環境研究所「いま地球がたいへん! −環境を守るNIESのかつやく−」
黄砂は、人体にも害がある。黄砂は、工場などから出る大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)※1をつけて、日本に飛んでくる。有害な化学物質が多くふくまれているため、吸(す)いこんでしまうと、鼻やのどの病気やアレルギーを引き起こすことがある。
※1/空気をよごす原因(げんいん)になるもの
また、黄砂のために海や湖などの栄養が増(ふ)え過(す)ぎてしまうと、プランクトンが急に増えて水がよごれ、魚や貝などの生き物が死んでしまうことがある。
近年、日本では飛んでくる黄砂の量が増えていて問題になっている。原因(げんいん)は、はっきりしないが、中国の工業化が進み、森林の伐採(ばっさい)や土地の開発などによって砂漠が増えたことが関係していると考えられているよ。


