環境行動レポート2002

2001年度の取り組み状況/地球温暖化の防止に向けた取り組みの推進

電力設備面の取り組み

(1)原子力を中心とした電源のベストミックス

 環境特性、経済性、供給安定性、運用性を考慮し、原子力発電を中心に多様な電源をバランスよく開発・運用し、CO2排出量を抑制しています。
 2001年度における実際のCO2排出量は、仮に全電力量をLNG以外の化石燃料で発電した場合に比べると、約半分に抑制しました。
■CO2排出量の抑制効果

図:CO2排出量の抑制効果


原子力発電

 原子力発電は発電時にCO2を発生しないため、地球温暖化防止に有効な電源として開発を進めています。2002年1月には、女川原子力発電所3号機(82.5万kW)の営業運転を開始しました。また、2005年度の営業運転開始を目指し、東通原子力発電所1号機(110万kW)を建設中です。 写真:東通原子力発電所1号機の建設現場
東通原子力発電所1号機の建設現場


水力発電

 水力発電は自然エネルギーを利用したクリーンなエネルギーとして開発を進めています。2001年度は、月山発電所(0.88万kW)、2002年6月には第二上野尻発電所(1.35万kW)が営業運転を開始し、現在国内最多の212カ所(247万kW)が稼働しています。 写真:第二上野尻発電所
第二上野尻発電所


地熱発電

 地熱発電は再生可能な純国産エネルギーである地熱資源を活用した、環境にやさしい発電システムです。当社は4地熱発電所で合計22.38万kW(国内最大で全国の地熱発電設備の約42%)が稼働しています。 写真:柳津西山地熱発電所
柳津西山地熱発電所
■発電電力量の電源構成比
図:発電電力量の電源構成費



(2)新エネルギーの普及

 太陽光発電や風力発電は発電時にCO2を排出しない環境にやさしいエネルギーです。エネルギー密度が小さく、天候などにより出力が大きく変動することや、コスト面での課題は残りますが、当社は、電力系統への影響やコスト評価を行いながら、新エネルギーの計画的な導入に努めています。


新エネルギーからの電力購入

 新エネルギーの普及拡大に協力するため、太陽光発電、風力発電、廃棄物発電について1992年より電力の購入を行っています。また1993年からはコジェネなど自家用発電、1998年からは商業用の風力発電による電力についても購入しています。2001年度は自然エネルギーからの電力購入が大幅に増加し、前年度比で、太陽光発電が約2倍、風力発電が約5倍となりました。

■太陽光発電・風力発電からの電力購入
図:太陽光発電・風力発電からの電力購入


風力発電の実証試験

 竜飛ウィンドパーク(青森県、3,375kW)において、1992年度より風力発電の実証試験を実施しています。2000年度からは永久磁石式発電システム(300kW)やギアレス可変風力発電装置(500kW)など新型風力発電装置を設置し、出力安定性や稼働率などの確認・検証を行っています。 写真:竜飛ウィンドパーク
竜飛ウィンドパーク


大規模風力発電の入札募集

 2000年10月からの東北グリーン電力基金のスタートに合せて、大規模風力発電(2,000kW以上)からの電力購入について入札制度を導入しています。2001年度の入札では、10万kWの募集を行い、5件(10万7,750kW)の案件を落札者として決定しました。また、2002年度の入札では10万kWの募集を行い、4件(10万1,900kW)の案件を落札候補者として選定しました。今後は、順次これらの風力発電事業者と正式契約を結び、 2002年12月以降、電力を購入する予定です。


風力発電事業

Groupマーク
 東北自然エネルギー開発(株)は、秋田県能代市浅内地区に600kWの風車24基からなる出力14,400kWの能代風力発電所を、2001年11月1日に完成させ、営業運転を開始しました。
 本事業は、日本自然エネルギー(株)が運営する「グリーン電力証書システム※」へ参加しています。

※自然エネルギーによって発電された電力が持つ省エネルギー(化石燃料節減)・CO2排出削減などの環境付加価値を「グリーン電力証書」という形で具体化することで、企業などのお客さまが自主的な省エネルギー・環境対策のひとつとして利用できるようにするシステム。
写真:能代風力発電所
能代風力発電所


(3)設備の効率向上・損失低減

■発電設備の効率向上・所内電力量の低減

 火力発電所の熱効率や原子力発電所の設備利用率を維持することにより、火力発電所の化石燃料消費を抑制し、CO2の排出抑制に努めています。また、所内電力量の低減にも努めています。このほか、地熱発電や水力発電についても有効利用に努めています。


火力発電所

 東新潟火力発電所4-1号系列(LNGコンバインド発電、出力82.6万kW)では、新技術の開発・採用により世界最高水準の熱効率50.6%を達成しました。また、最新鋭の石炭火力発電所である原町火力発電所2号機(出力100万kW)では44%以上の高い熱効率を達成しました。こうした高効率の火力発電所を活用することにより、火力発電所全体の熱効率40%以上の維持に努めています。
 火力発電所では発電した電力の一部を発電用補機類※の所内動力として使用していますが、この所内動力の低減をはかるため、発電所の出力が低い時に補機類の運転台数を減らすように努めています。


※発電用補機類:ボイラー、タービン、発電機以外で発電に使用する諸機械装置。

写真:東新潟火力発電所4-1号系列
東新潟火力発電所4-1号系列
■火力発電所の熱効率

図:火力発電所の熱効率


原子力発電所

 原子力発電所では安定・安全運転の徹底と定期検査の短縮をはかることにより、設備利用率の維持・向上(80%以上)に努めています。2001年度は女川原子力発電所2号機の定期点検延長などにより、設備利用率は75.4%でした。

■原子力発電所の設備利用率
図:原子力発電所の設備利用率


水力発電所

 水力発電所では発電機の更新に合わせて高効率機器を導入するなど、回収電力量の向上(設備の効率向上・損失低減)に努めています。2001年度の年間回収電力は574千kWhになりました。


地熱発電所

 地熱発電所では作業停止日数の短縮などにより、設備利用率の向上に努めています。



送変電・配電設備の損失低減

 送変電・配電に伴う電力損失を低減することにより、火力発電所の燃料消費を抑制し、CO2の排出抑制に努めています。  
 2001年度は設備対策に加え、給電運用の効率化などに努めた結果、送配電損失率は5.8%、総合損失率は9.7%となりました。



送変電設備

低損失変圧器・調相設備の導入、
操作箱除湿ヒーターの自動制御


 変電所の変圧器と調相設備に低損失の材料を採用し、電力損失の低減に努めています。また、発変電所の機器操作箱内の除湿ヒーターを自動制御することにより、ヒーターの消費電力の低減をはかっています。
 2001年度の年間回収電力量は444千kWh(CO2で約190トン相当)となりました。


低ロス電線の採用

 送電ロス(電気抵抗)を20%以上低減できる「ヒレ付低ロス電線」を採用しています。
 2001年度は495kmの採用実績となりました。
写真:ヒレ付低ロス電線
ヒレ付低ロス電線


配電設備

 柱上変圧器を計画的に低損失型に取り替えるとともに、高圧配電線を太物化することにより、配電設備の損失低減をはかっています。
 2001年度の年間回収電力量は20百万kWh(CO2で約8,600万トン相当)となりました。


■送配電損失率の推移
図:送配電損失率の推移



(4)CO2排出抑制に向けた技術開発

高効率発電技術(石炭ガス化複合発電)

 石炭ガス化複合発電は現在の石炭火力発電に比べて発電効率が高く、CO2排出抑制などの環境特性にも優れているため、次世代の石炭利用技術として期待されています。当社は2001年6月に他電力と共同で、(株)クリーンコールパワー研究所を設立し、実証機の技術開発を実施しています。



(5)CO2以外の温室効果ガスの排出抑制

 1997年12月の気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)では、CO2、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類の温室効果ガスを対象とする削減目標が決定されました。当社のCO2以外の温室効果ガスの排出量はCO2に比べるとわずかな量ですが、これらのガスの排出抑制にも取り組んでいます。


六フッ化硫黄(SF6

 SF6は優れた電気絶縁性能を有するため、ガス遮断器、ガス絶縁開閉装置、ガス絶縁変圧器等の電力機器の絶縁材料に使用しています。こうした機器の内部点検等にはSF6ガス回収装置を使用するなど、「SF6ガス管理・運用マニュアル」に基づいてSF6ガスの大気放出を防止しています。2001年度の回収率は98.4%となり、前年度実績より0.1ポイント向上しました。 写真:SF6ガス回収装置
SF6ガス回収装置


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