地球環境レポート2000
環境マネジメントシステム
環境会計の導入
環境会計とは
 環境会計とは、「企業の環境活動に要したコストやその効果を貨幣価値や物量によって定量的に評価するための枠組みの一つ」です。
 その目的としては、お客さまなどが企業の環境保全への取り組み状況を理解できる情報手段としての外部環境会計と、環境投資の判断や環境コストの管理など企業の経営管理上の分析手段としての内部環境会計に大別されます。
当社の取り組み
 従来から環境対策の取り組み結果を把握し、毎年行動レポートにおいて公表してきましたが、「効果的な環境保全活動の推進」および「環境情報の公開を通じた社会とのコミュニケーションの充実」には、環境会計値の把握および開示は重要であると認識しています。
 このため、社内に「環境会計検討会」を設置し、環境会計の算定範囲・方法について検討を行ってきました。
環境会計の集計結果
 当社の1999年度の環境コストおよび効果について、環境庁から公表された「環境会計システムの導入のためのガイドライン (2000年版)」に基づき把握しました。下表はその集計結果を示しています。
  1. 環境コスト
     1999年度の環境対策に要した設備投資額は115億円、費用は473億円であり、設備投資額や費用(電気事業営業費用)の総額に占める割合はそれぞれ約3.8%、3.7%となっています。
     設備投資額の内訳では、公害防止コスト、地球環境保全コスト、資源循環コストを含む事業エリア内コストが約7割、配電線地中化などの社会活動コストが約3割を占めています。
     費用の内訳では、大気保全設備の減価償却費や維持管理費などの公害防止コストが約6割を占めています。
  2. 効果
     環境保全効果として、環境保全設備により直接削減された環境負荷(SOx、NOx、ばいじん)量および発電電力量当たりのSOx、NOxの排出量の過去5年間の推移を記載しました。
     なお、経済効果として、リサイクルで得られた有価物の売却収入およびリサイクルにより回避された廃棄物処理費を参考として記載しました。
環境コスト
(単位:億円)
分類 主な取り組みの内容 設備投資額 費用
事業エリア内コスト※1
79 381


公害防止コスト 大気保全対策(SOx、NOx、ばいじんの排出抑制)、水質保全対策、騒音防止対策、悪臭防止対策 21 289
地球環境保全コスト LNG火力熱効率向上、 低損失機器の導入(変圧器、電線等)、新エネルギーの活用、オゾン層保護対策 等 30 11
資源循環コスト 廃棄物処理、リサイクル 28 81
上・下流コスト※2 グリーン購入 - ▲1
管理活動コスト 環境教育、環境マネジメント関連費、 環境負荷の監視測定 等 3 35
研究開発コスト 環境関連の研究開発 - 14
社会活動コスト 緑化・美化・景観対策 (発電所緑化、環境調和対策、配電線地中化※3 等)、 環境情報の公表、地域環境活動 等 33 34
環境損傷コスト 公害関連拠出金 - 10
※1 「事業エリア内で直接発生する環境負荷を抑制する取り組みのためのコスト」であり、環境負荷抑制を目的とした付加設備や取り組みに関わるコストを対象としました。
特に地球温暖化防止に寄与する原子力・水力・LNG火力発電所の本体設備に関わる環境コストは目的が複合化し算定が困難なため対象外としました。
※2 「事業エリアの上流又は下流で生じる環境負荷を抑制するためのコスト」であり、上流側の「グリーン購入」を対象としました。グリーン購入品が標準品よりも安価な場合はマイナス算定としました。
※3 都市部景観対策等を目的として建設省主導で推進している「配電線計画地中化」を対象としました。
上記以外の配電線地中化、送電線地中化、変電所地下化は電力の供給目的とみなし対象外としました。
(参考)
・ 設備投資額の総額(附帯事業工事費を除く設備工事費) 3,041億円
・ 研究開発費の総額(分担金、自社研究費、委託研究費)
95億円
環境コスト分類別内訳
環境コスト分類別内訳
環境保全効果
環境保全設備により削減された環境負荷の総量(1999年度)
環境負荷 環境保全設備 削減量(千t) 環境コスト(単位:億円)
SOx 排煙脱硫装置 62 226
(環境保全設備の減価
償却費、維持管理費)
NOx 排煙脱硝装置 26
ばいじん 電気集じん装置 779
環境保全設備が未設置の場合を想定し、排出実績との差により算出しました。
NOx、SOxの原単位推移
NOx、SOxの原単位推移
(参考)経済効果
・ リサイクルにより得られた有価物の売却収入(脱硫石こう、設備工事庫入資材 等) 6億円
・ リサイクルに伴う廃棄物処理費の回避額(石炭灰、脱硫石こう、設備工事庫入資材 等)
54億円
今後の展開
 2000年度は、環境会計の算定課題解決に向けて検討を深め、精度の向上を図ります。
 将来的には環境マネジメントシステムを土台として、環境効率性を追及するためのツールとしての活用を目指します。
環境コストの把握と管理 1/1
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