原子力発電所の安全対策東日本大震災と女川原子力発電所

  • 地震・津波の発生時、設計どおり「止める」「冷やす」「閉じ込める」が有効に機能し安全に停止しました。
  • 震災時、地域住民の方々が発電所を頼り避難してきました。
  • 発電所の取り組みが国際的に高い評価をいただきました。
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震源に一番近かった女川原子力発電所が、なぜ、安全に停止できたのか?

敷地の高さ14.8m。歴史的調査と専門的知見により検討され、決定された津波対策。

1号機の設計時(昭和40年代)、文献調査や地元の方々への聞き取り調査から津波の高さを3m程度と想定していました。しかし、専門家を含む社内委員会での「貞観津波(869年)や慶長津波(1611年)などを考えれば津波はもっと大きくなることもあるだろう」等の議論を経て、当社は敷地の高さを14.8mと決定しました。

3m→9.1m→13.6m。津波の高さは最新の知見を反映して想定。

2号機の建設にあたっては、昔の津波の痕跡を調べるなどして、想定津波をそれまでの3m程度から9.1mに見直し(昭和60年代)、建設時には敷地法面が津波で削り取られないように9.7mの高さまで防護工事を行いました。
また、3号機が運転開始した2002(平成14)年には、土木学会が最新の知見を踏まえて公表した津波評価手法に基づき、13.6mと評価しましたが、敷地高さ14.8mを下回っており、あらためて津波に対する敷地の高さの安全性が確認されました。

2号機建設時に9.7mの高さまで
コンクリートで補強した敷地法面(破線例示)
震災時の津波にも耐えることができた

海水ポンプは深さ12mのくぼみの中へ

原子炉を冷やすために欠かせない海水ポンプを、津波の影響を受けやすい港湾部ではなく、原子炉建屋と同じ敷地の高さ(14.8m)を掘り下げたところに設置しました。
また、海底が見えてしまうほど海面が低くなることがある津波の引き波時でも原子炉や使用済燃料プールを冷却する海水を確保できるように、取水路の奥を深く掘る設計としていました。これにより、海面が取水口より低くなった場合でも、取水路にたまった海水で約40分間冷却を続けられます。なお、震災時に引き波により、実際に海面が取水口より低くなったのは数分間でした。

深さ12mのくぼみに設置した海水ポンプ

震災前に実施していた、約6,600ヵ所の耐震工事

2010(平成22)年6月までに、機器や配管をサポートで補強するなど1・2・3号機合わせて約6,600ヵ所の耐震工事を実施していました。また、緊急時対策室などがある事務棟の耐震工事(外壁の筋交い)も完了していました。

外壁の筋交いを設置した旧事務棟
震災時には事務棟として使用していた

2011年3月11日、設計どおり、「止める」「冷やす」「閉じ込める」が有効に機能し、安全停止しました。

止める -設計どおり原子炉が自動停止-

地震発生時、1・3号機は通常運転中、2号機は原子炉起動中でしたが、大きな揺れにともない、原子炉3基すべてが設計どおり自動停止しました。

冷やす -冷却機能を確保-

最大約13mの津波で一部の設備に被害はありましたが、発電所の敷地高さを越えることはありませんでした。また、燃料の冷却に必要な外部電源(送電線)1回線が確保されていたほか、建屋内の非常用ディーゼル発電機も使用可能な状態でした。

閉じ込める -放射性物質を閉じ込める-

発電所敷地内に設置してある放射線モニターの値に異常は見られませんでした。

女川原子力発電所の安全対策実施状況

震災時、地域住民の方々が発電所に多数避難されました。

東日本大震災時、津波によって自宅を流された方など多くの近隣住民の方々が女川原子力発電所に避難されてきました。避難された方々は最大364名に上り、震災後から約3ヵ月間、発電所構内で生活されました。震災当初は周辺の道路も寸断されており、物資が不足する厳しい状況の中、住民の皆さまと発電所員が協力し合い、寝食をともにしました。

女川原子力発電所の安全対策実施状況

女川原子力発電所の安全性について、国際機関から高い評価をいただきました。

IAEA(国際原子力機関)調査報告書の評価

震災直後の女川原子力発電所の状況を調べるため、2012年7月から同年8月にかけて国際原子力機関(IAEA)が同発電所の調査を行いました。

2013年4月に公表された調査の最終報告書では、「小さなダメージはあったが、構造物は驚くほど損傷を受けていない。設計時に十分な裕度があったことを示している」「地震より津波の損傷が大きかったが、3つの原子炉建屋も安全システムもすべて健全に機能した」と評価されました。

WANOから原子力功労者賞を受賞

2013年5月、東日本大震災時における女川原子力発電所の取り組みが評価され、「世界原子力発電事業者協会(WANO)」から、原子力発電所の安全な運営に卓越して貢献した人物に授与される「原子力功労者賞」を受賞しました。

《受賞理由》
  • 女川原子力発電所が日頃から緊急時の対応をはじめとした事前準備に備えてきたこと。
  • 過去に例をみない巨大地震と津波にもかかわらず、女川原子力発電所の3基全てを安全に冷温停止に導いたこと。
  • 震災で被災した地域住民を受け入れ、地域とともに困難を乗り越えたこと。
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