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住まいと照明 Part2 〜あかりの楽しみ方、使い方〜
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住まいとあかり

陰影のある住まい

 電気のない時代、もともと日本人は、あんどんやろうそくで、陰影のある生活をしていました。日中は庇で日差しを遮り、1回縁側で太陽光をバウンドさせてから障子で拡散させて屋内に柔らかな光として取り込むといった、太陽光を上手に使った住まいの文化がありました。
 やがて電気が普及すると白熱灯が使われ始め、しだいに蛍光灯が主流になり、経済成長とともに「明るいことはいいことだ」と言わんばかりに、どこもかしこも一様に明るくする住まいが増えてしまいました。
 しかし、技術が発達し、より快適で成熟した豊さが求められるようになったいま、空間を四六時中、隅から隅まで明るくする必要はないのではと思います。
 必要な明るさを確保し陰影を魅力あるものとして楽しむこと、夜にむやみに明るくし過ぎないことは、省エネや健康的な生活にもつながります。
 陰影のある空間にもでき、明るさの必要な部分は明るくもできて、それをうまく使い分けることが大事です。注意を促したい部分は目立たせるなど、安全安心という観点からしても、時間や場所によって光のメリハリをつけることが重要です。

U邸(照明設計:スタジオLUME)

省エネで快適な住まいのあかりについて、「あかりの楽しみ方、使い方」をテーマに、引き続き照明デザイナーの梅田さんにお話を伺いました。

照明デザイナー
ライティングデザインスタジオLUME
代表 梅田 かおり さん

プロフィール

千葉大学工学部工業意匠学科卒業。TLヤマギワ研究所、ヤマギワ株式会社企画開発室、ヘルシンキ芸術デザイン大学などを経て、フィンランドの設備設計会社に勤務し、照明計画を担当。2005年帰国後、仙台で Lighting design studio LUME 開設。住宅、高齢者施設、ライトアップ、クリニック、店舗、公共建築など、屋内外の照明計画やワークショップ、講演等、その活動は多岐にわたる。

 

ケアリングデザインということ

 成熟社会を迎えた日本は、さまざまな領域で「量から質」への転換が進められてきました。住宅においても同様ですが、こと住まいのあかりについては、快適性など質の面からのアプローチは遅れ気味で、ここにきてようやく目が向けられはじめたように思います。
 先日、私は東京都内の百貨店で開かれたケアリングデザインの展示イベントに参加しました。ケアリングデザインとは、年齢を重ねるなかで変化していく日々の暮らしを心豊かに過ごすことを目的に、デザイン性・機能性ともに高く、使い手の幸福に貢献する道具、家具や空間の美しい調和を目指すもので、主に50歳以上の方の暮らしを想定しています。
 このデザイン展のなかで私は、照明デザイナーとして照明計画に携わり竣工した「50代の夫婦+おばあちゃま」のお宅のリニューアル物件を紹介しました。
 この事例では、まぶしいLED光源はなるべく隠し、日中や働く場所は明るく、夜は暗くもできるような照明とし、スイッチや調光はなるべく自動化しています。
 高齢になると、読み書きには若者の3倍の明るさが必要ですが、まぶしさ(グレア)を感じやすくなり、体内時計も光の影響を受けやすくなります。


まぶしい光源を隠し、壁や天井を面で明るくしている(照明設計:スタジオLUME)

 年齢とともに身体機能が低下していくのはいたしかたないことですが、人生後半の暮らしを楽しむためには、機能的にも精神的にも、住まいのあかりの果たす役割は大きいと感じています。

 

あかりを楽しむ生活のすすめ

ワンタッチでシーンを切り替える

 今回は「もっとあかりを楽しむ生活を積極的にやってみましょう」というお話をしたいと思います。新築やリフォームのときおすすめなのが、複数のあかりをワンタッチでコントロールできるライトコントローラーです。
 多灯使いの悩みの種は、どのスイッチがどの照明か分かりにくかったり、設定の煩雑さ。高機能タイプのコントローラーは、調光、調色、ON/OFFを任意でいくつかの点灯パターンを記憶させておくことができるようになっている機種もありますから、とても便利です。
 暮らしのシーンに合わせてあかりを切り替えることによって、無駄な電力消費を上手に省くことができますから、省エネの観点からもおすすめです。

 
知ってなっとく!①

ライトコントローラー

 写真のライトコントローラーは高機能タイプ。この例ではプッシュボタン左から「パーティ」「リビング学習」「食事」「くつろぎ」と設定されており、ワンタッチでシーンの切り替えが可能です。写真のとおり、あかりを切り替えるだけで、雰囲気が大きく変わります。

「パーティ」のシーン

「パーティ」のシーン

「リビング学習」のシーン

「リビング学習」のシーン

高機能タイプのライトコントローラー

高機能タイプのライトコントローラー

「食事」のシーン

「食事」のシーン

「くつろぎ」のシーン

「くつろぎ」のシーン

(撮影協力:パナソニックリビングショウルーム仙台)

 
知ってなっとく!②

演色性比較

 前回ご説明した色をきれいに見せる度合いを表す演色性ですが、平均演色評価数は「Ra」で表します。今回、各光源における物の色の見え方を比較した写真をご紹介します。

(注記:当サイトを閲覧いただいているパソコンやスマートフォンの環境によって、表示される色合いが異なります)

白熱灯 Ra100

①白熱灯 Ra100

LED電球 Ra80

②LED電球 Ra80

LED(昼白色)ユニット Ra83

③LED(昼白色)ユニット Ra83

LED(電球色)ユニット Ra83

④LED(電球色)ユニット Ra83

 光源によって、果物や花の色の見え方がかなり異なることがお分かりいただけると思います。最近はLEDでもRa96といった多くの色を良く見せる高い平均演色評価数の製品も発売されているので、店頭やショールームなどで実際の効果を確認されることをおすすめします。

(撮影協力:パナソニックリビングショウルーム仙台)

 

LEDの電飾イルミネーションを楽しもう!


企画したクリスマスイベントでは窓枠や床にも電飾を使用

 家庭用に販売されている電飾イルミネーションもそのほとんどがLEDになり、より気軽に楽しめるようになりました。防雨タイプは庭先や玄関周り、ベランダなどに飾り付けることができますからおすすめです。
 どうしたら楽しくなるかを自分の発想で考えることが大切。想像力を広げ、電飾をこういうところへ垂らしてみよう、インテリアの小物や棚のうしろに間接照明として使ってみようなど、場所や使う場面を思いめぐらしてみると、だんだん面白くなってくるはずです。
 室内であれば、ガラスの容器に電飾を入れて窓側に置いてみたりなど、身近なものを上手に大人のテイストで活用するのもいいですね。
 冬の暗い時期でも、電飾やあかりを上手に生活に取り込み、子どもたちもほっとするような温かみのある住まいになるよう、工夫をしてみてはいかがでしょうか。

 

あかりの使い方とこれからのあかり

小さな住宅もあかりの工夫で心豊かに!


H邸(照明設計:スタジオLUME)

 店舗やホテルに限らず、住宅においてもいい空間づくりには照明が大事、ということがようやく理解されるようになり、照明に対する一般の方の関心が高まってきたように思います。
 空間の質が問われるようになったことによって、照明デザイナーが専門職の一つとして認知されだし、照明デザイナー自身もさまざまな情報発信をし始めたことが、こうした動きにつながっているのだろうと思います。
 私もこれまでさまざまな物件に携わり、小さな住宅でも“あかり”をきっかけに、いままで以上に楽しく心豊かな暮らしを送るようになった方たちを見てきました。照明計画はお施主様と建築家の意識次第で、限られた予算の中でもこうした住まいづくりが可能です。

 

あかりで安全安心・防犯


(写真提供:パナソニック株式会社)

 センサー付照明器具は、さまざまなタイプのものがあり、防犯や省エネ、バリアフリーの観点から、ぜひ活用したいところです。
 暗くなると自動的に点灯する、人感センサーで人が近づくと明るさを増す、不審者を威嚇するアラームが鳴りフラッシュが点滅するなど、多様な機能を併せ持つ機種が多数あるので、設置場所によって使い分けるのがよいと思います。
 いずれの場合も、センサーを器具に連動させているで、消し忘れの心配もなく、省エネにも役立ちます。廊下の器具と玄関灯を連動させておくのも便利です。壁付けタイプのセンサーは操作部が手に届きやすく、調整も容易です。
 お手洗いは、下図のように夜はまぶしさを軽減するために照明をほんのり点灯できる装置もあります。特に、夜に何回もお手洗いに行く高齢者のいる家庭などはおすすめです。

(図版提供:パナソニック株式会社)

 

 ストレスなく防犯や省エネ対策をする、また介護者の負担を軽減するためには、便利な道具はどんどん取り入れ、機械に任せるという判断も必要です。

これからのあかり


フィンランドで友人にディナーに呼ばれた時の様子

 ヘルシンキで暮らして感じたのは、フィンランド人のお金をかけずに身の回りのものを上手に使って、時間を楽しんで過ごすという姿勢です。 生活がゆったりしていて、物があふれている感じがしません。少なくとも使い捨ての文化ではなく、良いものを長く使うという暮らし方が根付いています。まちづくりも商品開発も、長い年月のスパンを考えて行われています。 色やデザインが美しく、日本でも人気の高い、iittala(イッタラ)やmarimekko(マリメッコ)などが、普段使いの器類として使用されています。現地でも高級品ですが、結婚など特別なときの贈り物として買い足され、次の代でも大切に使われています。
 良いものは、廃番にしないという姿勢があり、良質なデザインの商品群の層が厚い、と感じました。
 歴史が長く、古いものも多く残っている日本のまちや住まいでも、いまあるものをうまく使いながら、快適な空間を目指し、人々が豊かに暮らしていける環境をつくっていけたらと思います。
 特に震災以降、電気を消すだけ、光源をLEDに変えるだけの省エネに目が向けられがちですが、“適光適所”の陰影ある「あかり」をつくることが、クオリティーの高い住まいと暮らしに欠かせない要素として、しっかり位置付けられていくことを願っています。                      

 

ライティングデザインスタジオLUME代表
梅田 かおり さん http://www.studiolume.com/

●ひとこと

先日、秋保温泉の天守閣自然公園の湯元小屋館跡自然庭園をライトアップしました。 ここは広大で美しい里山の日本庭園で、1年を通して四季折々の植物が楽しめます。 私は4年前からこの庭園を“秋保ナイトミュージアム”という名で自然博物館や、美術館に見立て、きれいに色づいたさまざまな種類のもみじを光で見せるとともに、その地形的特色を生かしながら里山の夜の姿を楽しんでいただくための空間を目指し、所々にサインや光のオブジェなどをちりばめています。 神社仏閣ではなく、里山の日本庭園ライトアップは全国的にもとても珍しいと思います。 照明計画では、ただもみじを煌々と照らすのではなく、里山に合った陰影のある、しっとりとした秋の山としています。 夜の光によって昼には気がつかない枝の形の美しさにハッとすることもあります。 今年は新しい枯山水ができましたので、キラキラとした水面や水の流れ、月あかりを光で表現しました。 こうした創作活動をこれからの住まいのあかりのデザインにもフィードバックしていきたいと思っています。

秋保ナイトミュージアム Facebookページ
https://www.facebook.com/akiunightmuseum

 

2015年12月掲載

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