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住まいと照明〜暮らしの中であかりを楽しむ〜
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暮らしとあかり

北欧のライフスタイルに学ぶ

 私が暮らしていたフィンランドをはじめとする北欧の国々では、夏はお天気が良い日が多く、夜中まで薄明るい反面、冬はどんよりと暗く、寒い日が続き夜も長いため、家で過ごす時間が多くなります。メンタル面にも影響を及ぼすほどの冬の暗さに打ち勝つためにも、家の中のあかりはとても大事で、自分好みのインテリアテイストに合わせ、複数の照明器具を効果的に配置した“多灯使い”も上手です。
 また、パーティーやバカンスの場で、ろうそくのあかりを楽しむ生活文化が根付いており、ろうそくの消費量も世界一です。
 「暮らしの中であかりを楽しむ」という点において、北欧の人々のライフスタイルには学ぶべき点が多くあると思います。

多灯使いが上手でろうそくのあかりも楽しむ北欧の人々
(写真提供:梅田さん)

北緯60度10分のヘルシンキは冬至ともなると日照時間は6時間ほどしかありません
(画像提供:梅田さん)

毎日の生活に欠かせないあかり。LED照明の普及であかりの選択肢が飛躍的に広がった今、省エネで快適な住まいのあかりについて、照明デザイナーの梅田さんにお話を伺いました。

照明デザイナー
ライティングデザインスタジオLUME
代表 梅田 かおり さん

プロフィール

千葉大学工学部工業意匠学科卒業。TLヤマギワ研究所、ヤマギワ株式会社企画開発室、ヘルシンキ芸術デザイン大学などを経て、フィンランドの設備設計会社に勤務し、照明計画を担当。2005年帰国後、仙台で Lighting design studio LUME 開設。住宅、高齢者施設、ライトアップ、クリニック、店舗、公共建築など、屋内外の照明計画やワークショップ、講演等、その活動は多岐にわたる。

 

あかりの「質」について

梅田さん宅の玄関。ドア右横にはめ込まれたガラス越しに、和紙の引き戸が美しい面光源となって見えます

 住宅の照明は、ただ単に明るければよいというものではありません。「だれが、いつ、どこで、どんなことをしたいのか」によって、快適に過ごせる“光環境”を考えていく必要があります。
 住まいのどういうところに、どのような照明が必要か、機能面だけでなく、心理面への影響も含めたあかりの「質」に気を配ることが大切です。
 その「質」を左右するのが、「色温度(いろおんど)」「演色性(えんしょくせい)」です。LED照明が全盛期となった今、住まいの新築やリフォームの際はもちろんですが、古くなった照明器具を見直したり光源を交換する際には、ぜひご確認いただきたいポイントです。

 
知ってなっとく!①

光源の3つの指標

照明器具の光源には、次の3つの指標があります。

  • 光源の明るさを表す「光束(こうそく):単位ルーメン(lm)」
  • 色みを表す「色温度:単位ケルビン(K)」
  • 色をきれいに見せる度合いを表す「演色性:平均演色評価数 Ra」

 中でも色温度と演色性は、ものの見え方や人間の心理、快適性といったあかりの質に大きな影響を与える重要な要素です。
 色温度の場合、一般に電球色と呼ばれるオレンジ色がかった光色は2,700K〜3,000Kで、数値が上がるにつれ、白く青っぽい色になっていきます。
 演色性とは、電球や蛍光灯などの光源が物を照らしたとき、日本工業規格が定める標準光源と比べてどれくらい色が再現できているかを評価したもので、最高の平均演色評価数はRa100です。

【ワンポイント・アドバイス】

ルーメンとルクスについて

明るさを示すもう一つの単位として「照度(しょうど):単位ルクス(lx)」があります。ルーメンが、光源が発する明るさを表しているのに対し、ルクスは光で照らされている面の明るさを表しています。一般的に、照明器具の明るさを比べる場合はルーメンの数値で比較します。例えば同じルーメンの光源を利用する場合でも、光源から離れた場所に置かれたテーブルほど照らされた面のルクスは小さくなり、近い場合は大きくなるからです。

 

雰囲気は光の色で変わる

 夕暮れの太陽光に近い色温度の低い赤みを帯びた光は、落ち着いてくつろぐための空間にふさわしく、昼間の太陽光のような色温度の高い青白い光は、明るくさわやかで、活動的な空間に適しています。

例えば・・・
家族がいつも夕食をとる部屋
 落ち着いた電球色のあかりがくつろいだ食卓の雰囲気をつくります。
子どもが勉強する部屋
 活気のある昼白色の明るい光がやる気を起こさせます。
 このように、光の色は、人の心理と部屋の雰囲気に大きな影響を与えます。
 また、白っぽくて暗いと気持ち悪く感じ、オレンジ色で明る過ぎると暑苦しく感じてしまいますから、色と明るさのバランスも大事です。

電球色の室内
昼白色の室内

写真左が電球色、右が昼白色の室内。同じ部屋でも色温度によって雰囲気が大きく変わることがわかります

 

生活の場となる空間はRa値の高い光源を!

 演色性の最高値Ra100に近い光源は演色性が高く、物が自然な色に見えることを意味しています。食事や化粧をする部屋は、なるべくRa値の高い(演色性の高い)ものを使うと、料理がおいしそうに見え、自然なお化粧ができます。
 逆に数値が低い場合は、不自然な色の見え方をしているということになりますので、普段の生活の場となる居室で使うのであればRa80以上の表示がある光源を選ぶことをおすすめします。*

*Ra値が低いと総体的な色の見え方が悪くなりますが、消費電力(ワット数)に対して演色性の良いものより明るい傾向があります。単に明るさだけを求められる場所は、Raの低めのものを選んでも構わないでしょう。

 

ここがポイント! LEDランプの活用法

電球形 LEDランプの選び方

【Ra値の高いものを選ぶ】
 簡単に交換できて省エネで長寿命な光源の代表格といえば電球形LEDランプが挙げられますが、店頭でよく売っている製品のRa値は高いものでも85くらいで、中にはRaの表示すらないものもありますから、店頭でLED電球を選ぶときは注意が必要です。できるだけRa値の高いものを選ぶようにしたいものです。

【光の広がり方で選ぶ】
 電球形LEDランプには、全方向が明るいタイプ、広配光のタイプ、下方向が明るいタイプがありますから、器具に応じて使い分けが必要です。特に電球全体が照明カバーで覆われた器具には全方向タイプを使うとカバー全体がきれいに光ります。

【照明器具のタイプで選ぶ】
 器具のタイプにより使用できないLED電球もあります。ダウンライトの上部に断熱材が敷き詰めてある場合は断熱材施工器具対応タイプのLEDランプ、ガラスなどで密閉された器具には密閉器具対応のランプを選びましょう。
 また、調光できるものとできないものがあるので、現在調光器を使っている場合は調光器とのマッチングを確認しましょう。
 LEDランプは一般電球に比べ、外寸がやや大き目であったり重い場合があるので、照明器具のサイズや重量増加などにも注意が必要です。

 
知ってなっとく!②

電球形LEDランプの明るさ

 LEDランプの明るさについては、ルーメン(lm)の表示以外にも、目安となる一般電球の明るさで「60形相当」などと併記されていることが多いので、確認してみましょう。
 色温度についても、「電球色相当 3000K」「昼光色相当 6700K」などといった表示があるので、場所や使用目的に応じて、LEDランプを選ぶようにしましょう。

(参考)一般電球の明るさと電球形LEDランプ

パッケージにルーメンの表示があります
一般電球
(口金 E26)
電球型LEDランプ
(口金 E26 一般電球形)
100形
1,520ルーメン (lm) 以上
60形
810ルーメン (lm) 以上
40形
485ルーメン (lm) 以上
30形
325ルーメン (lm) 以上
20形
170ルーメン (lm) 以上

※一般電球50形に相当する640ルーメン(lm)以上の電球形LEDランプもあります。

ミニクリプトン電球
(口金 E17)
電球形LEDランプ
(口金 E17 小形電球形)
40形
440ルーメン (lm) 以上
25形
230ルーメン (lm) 以上

(出展:一般社団法人日本照明工業会公式ウェブサイトから抜粋)

 

欠かせない最新情報のチェック

 LEDはまだまだ発展途上の光源で、各メーカーとも3カ月から半年に一度は新製品が出ています。
 また、最近では、暗いとき人が近づくと自動点灯する人感センサー付きのものや、明るさや色温度が変えられるものもあり、LED照明はどんどん品質や機能が向上し、価格も手頃になってきていますので、常に最新情報をチェックするようにしましょう。

 

多灯使いで空間に変化を!

あかりでライフスタイルまで変わる

 一部屋にON-OFFしかできない天井直付け一灯では1つの光のシーンしかつくれません。ワンステップとして直付けを消して、スタンドを使ってみることをおすすめします。首の振れるフロアスタンドであれば上向きや壁向きにして間接照明をつくることもできます。背の低い柔らかな光を放つスタンドを床に置くと、リラックスした空間になります。ちょっとした光の変化で空間が生まれ変わり、楽しくなるはずです。
 以前あるご夫婦の新築住宅を担当しさまざまなあかりを配置してみたところ、帰宅後テレビばかり見ていたご夫婦が、一緒に音楽を聴いたりお酒を飲んだりして時間を過ごすようになったそうです。
 ある老人ホームでは個室に1灯だけだった照明を多灯のあかりに変えたことで入居者がいろいろな光のつけ消しを楽しむようになり、部屋に知人を呼ぶようになるなど活動的になったという研究事例もあります。  
 あかり一つで気分が変わり、ライフスタイルまで変わることがあるのです。

天井直付けシーリングライト1灯の場合
間接照明やフロアスタンドなどによる多灯使いの場合

写真左は天井直付けシーリングライト1灯の場合。明るさにめりはりがなく部屋の雰囲気が固定されてしまいます。右は間接照明やフロアスタンドなどによる多灯使いの場合で、部屋に陰影ができ、奥行きが感じられる空間になります
(撮影協力:大光電機株式会社 ライティングコア仙台)

写真は梅田さんが実際に照明計画を担当した事例。目的を持った光を効果的に空間の各要素にあてることで、同じ部屋でも多様なシーンを演出できようになることがわかります
(写真:株式会社LIXIL住宅研究所のコンセプトホーム)

 

あかりもユニバーサルの視点で考える

 高齢者の場合、目がまぶしさに弱くなっていますから、光の指向性が強いLEDランプなどの光源が直接目に入らないよう配慮しましょう。
 一方、読書する場合など、60歳代は20歳代の3倍の明るさが必要といわれていますから、読む面にはしっかり明るさを確保しなければなりません。また、高齢者は体内時計が変調しやすいので、日中はしっかりと太陽光や同等の光を浴び、寝る前の1時間は、暖色系のほのかなあかりでリラックスすると寝付きもよくなります。
 また、省エネとつまずきや転倒防止などの安全対策を兼ね、玄関まわりや廊下の照明は、人感センサーでON-OFFすることをおすすめします。手が自由に使えなくても点灯して便利な上、つけ消しをめぐる争いもなくなり家族の円満にもつながります。

 

暮らしの中であかりを楽しむ

 照明のリフォームは大変だと思われがちですが、例えば、現在ご使用のシーリングが付いているところに、引っ掛けシーリング用のライティングダクトレールを取り付け、スポットライトでお気に入りの写真やテーブルを照らしてみる、背の低いスタンドを床に置いてみるなど、秋の夜長に向け、自分なりのあかりづくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
 この機会に、ちょっとした工夫とアイデアでできる、暮らしの中であかりを楽しむ生活を始めてみませんか。

 
知ってなっとく!③

簡単にできる多灯使いの例

引っ掛けシーリング用のライティングダクトレール

引っ掛けシーリング用のライティングダクトレールは取り付けが簡単でスポットライトやペンダントが好きな位置に付けられます

ライティングダクトレールにスポットライトを取り付けた多灯使いの例

ライティングダクトレールにスポットライトを取り付けた多灯使いの例

球形のテーブルスタンドを床置きに使用した例

球形のスタンドを床置きに使用した例

 

(出典:大光電機株式会社 住宅照明カタログ『LIFE PLUS LED LIGHTING 2015-2016』)

 


(フィンランドの設備設計会社に勤務当時、誕生した長男とともに)

ライティングデザインスタジオLUME代表
梅田 かおり さん http://www.studiolume.com/

●ひとこと

家のあかりを決める際、どうしても器具の形に関心が向いてしまいがちですが、まずは、どのような光がその空間にあるべきかを考えることが大事です。私は、照明デザイナーとして、お客さまの家族構成や趣味のこと、どんな生活や空間をお望みなのかをお聞きするようにしています。そして、例えば庭の様子や建物に入ってからの動線や家族の行動、1日の太陽光の変化や四季の移ろい、家具や壁などのインテリアの色や素材の特色なども考え、お施主様の家族が心豊かな時間を過ごすために最適と思える照明のプランを提案しています。

 

2015年10月掲載

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